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若い子には"地旅"をさせろ(3) 地域貢献が後継育てる

―地旅の役割が時代の要請とともに高まっていくということであるならば、地域、旅行業ともに担い手の育成がカギになりそうだ。ご意見をいただきたい。

地旅で旅行業は裾野の広い仕事に 池田・全旅社長

渡辺 地旅を子どもたちが造れば、素晴らしい教育のツールにもなるでしょうね。

宮内 そうです。若い人たちが将来活躍できるような場づくりを我々がやっていかなければならない。池田社長にお願いをして学生たちと地旅の勉強会をしています。地旅とは何だ、なぜ地旅が必要なのかを理解することによって現在の観光の課題が分かってきます。地域振興に実効性のあるこれからの観光を考え、中心的な役割を担える人材を我々は育成していきたいと思っています。

インターネットによって旅行業は従来以上に難しくなっているという指摘もあります。でも、そうではない。これからの時代に旅行会社が果たす役割はさらに大きくなっています。日本が、地域が抱えている課題は地旅を通して解決できる可能性を秘めています。インターネットで旅行業界が苦しくなるのではなく、ツールとして使っていかなければなりません。インターネット時代でも、観光は最終的に人対人。人が思いを、歴史を、文化を伝える。それで成り立っているのが観光です。今後はまさに人が観光を伝えるということになります。だからこそ、私たちは人材という面で地旅をサポートしていきたいのです。

池田 今のスタイルの旅行業では後継者育成は難しい。なぜならば地域の皆さんが旅行業にあまり関心がないんです。それは旅行会社が地域の活性化のために何もしてくれない、住民を外に出していくばかりの業態だったからです。地域が旅行業を認めなければ、子どもたちも旅行業に関心を持てなくなるのは当たり前です。

そうではなく、地域のために一所懸命にがんばっている旅行会社があって地域の皆さんが「ありがとう」という感謝の気持ちを持っていただくことにより、子どもたちも旅行業を目指そうということになっていく。

私たちが進めている地旅は、旅行だけの問題ではなく、いま問題視されている少子高齢化、教育の格差、地域間の格差に対しても、我々はいろいろな形でお手伝いができるということなのです。地域のためになくてはならない裾野の広い仕事だと理解してもらうことによって、後継者を育成していきたい。

若い子には"地旅"をさせろ(4) 東京五輪の波を地方へに続く

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