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フェリークルーズで地域振興-髙橋・大阪市住之江区長vs井垣・フェリーさんふらわあ常務(1)

大阪市住之江区役所(髙橋英樹区長)とフェリーさんふらわあ(興村明仁社長)は昨年9月、パートナーシップ協定を結んだ。大阪の海の玄関口・住之江区の海上アクセスを生かした観光施策の企画立案や周遊プランの造成、地域の活性化に共同で取り組んでいく。そこで髙橋区長とフェリーさんふらわあの井垣篤司常務に大阪港と船の歴史や今後の取り組みなどについて話を聞いた。

南港が瀬戸内の拠点 志布志や別府も隣町

―協定を結んだ経過を教えてください。

髙橋 ちょうど私どもの方で頑張っている民間企業なり団体を支援する場合、行政としてどのように支援をすればいいのか。また住之江区にはフェリーの発着場があるのだから、船を使ったイベントができないか。そんなことを話しているところへさんふらわあさんとお話しする機会があり、ぜひ一緒に何かしましょうということになりました。そのあとトントン拍子に話が進んだのですが、ある意味で偶然から生まれた協定と言っていいかもしれません。

髙橋英樹区長

大阪市住之江区役所
髙橋英樹区長

―具体的にはどのような取り組みをしていくのですか。

髙橋 南港の活性化という目的はあるものの、具体的にはこれからです。現在、コスプレのイベントなどを行っていますが、不定期でもいいので船を使ったイベントを行いたいと思っています。

井垣 クリスマスには明石海峡大橋まで行って帰ってくる半日の大阪湾クルーズを実施しますが、多くの住之江区民にご乗船いただければと思っています。こういった身近なところから一緒に取り組んでいければいいのではないでしょうか。

井垣篤司常務

フェリーさんふらわあ
井垣篤司常務

髙橋 大阪24区の中でフェリーを使って九州、韓国、上海(中国)に行くことができるのは住之江区だけです。いわば大阪の海の玄関口なんです。しかし区民はそれを意識していません。こんな財産を区民は持っていることを知ってほしいと思います。

南港でのフェリーの利用客は年間で100万人いますが、ほとんどの方が素通りです。住之江区に何があるかもご存じありません。

見方を変えれば、さんふらわあを介することで鹿児島や大分・別府は隣町です。そういった市町村と連携してさんふらわあの船上でイベントを開いてもいいんです。

井垣 すでに船上で、豊後高田市の昭和の町の再現や雛祭りで有名な日田・杵築両市の雛人形を飾ったりしているので、住之江区バージョンを展開すればいいのではないかと考えます。また交流事業に関しても、先日志布志市の市長と会って話をすると、ご興味をお持ちでした。

髙橋 連携という意味では住之江区の農産物はゼロなので、名物の作りようがありません。加工する会社はあるので、志布志市や別府市とタッグを組んで、それぞれから農産物や海産物をご提供いただいて、名物を作ることを視野に入れてもいいかもしれません。

井垣 名物をさんふらわあの船上で販売してもいいですね。すでに神戸ではスイーツ、南京町の豚まんを販売した経験があります。

フェリークルーズで地域振興-髙橋・大阪市住之江区長vs井垣・フェリーさんふらわあ常務(2)に続く

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