楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

潜在層を"起こす" 武藤友木子さん(トラベルズー・ジャパン社長)(2)

―Top 20への掲載料はいくらですか。

毎週水曜日の午前11時にTop 20を配信します。ニュースレターの掲載料は、多少条件によって異なりますがニュースレターを受け取る会員1人につき1円が基準です。現在は会員数90万人時点の掲載料が適用されており、100万円前後となっています。

「Top20」で需要顕在化 旅行意欲かきたて1300室販売の例も

―掲載プランには5000円の宿泊プランもあります。1週間で100万円の掲載料に見合う集客ができるんでしょうか。

1つには私どものユーザーの質が高いということがあります。平均年齢は46歳。40―60代の会員が多く、世帯年収も日本国内の平均より100万円以上、上回っています。年間の国内旅行回数3.23回、海外旅行回数1.28回も、平均を大幅に上回る数字です。アクティブに旅行している会員が多いと言えます。こうしたユーザーの特徴もあって、通常、1%にも満たないとされるニュースレターのクリック率も非常に高く、毎週20―30%に達しています。多くのユーザーが毎週、Top 20のどれかのプランに関心を持ち、クリックしてくださっているということです。

ニュースレターを見たことで、旅行を予定していなかった人が旅行にでかけることも多いです。2週間で900部屋を販売したホテルもありますし、トラベルズーがサービスを展開している11カ国のTop 20にプランを掲載したたことで、3週間で約1300部屋を販売したホテルもあります。日本国内からの予約は300部屋ほどで、あとは海外からの予約でした。

―実はサービスを開始した2年前に取材の案内をもらいましたが、掲載プランが国内あり、海外あり、旅行プランも宿泊プランもとバラバラ。料金も5千円から10万円を超える商品まであって、こうしたごった煮のような旅行情報が、旅行者に受け入れられるはずがないと思っていました。すみません。

Top 20には、国内、海外がだいたい半々、旅行プランと宿泊プランも偏らずに掲載するようにしています。旅行に行くのを決めている人は、目的地やプラン名ですでに検索していると思うんです。私たちのニュースレターは、旅行の行き先だけでなく、旅行に行くことを決めていない人、なにかいいプランがあれば行きたいなと思っている潜在層に届きます。

例えば、弊社のパブリッシャーは、弊社に入社する前に、ニューヨーク往復9800円の商品をTop 20で見て、思わずバケーションに行ってしまったことがあるそうです。国内か、海外かすら決めていない潜在的な旅行者を顕在化させるという意味からも、カテゴリー分けをしないのがトラベルズーの特徴の1つだと思っています。

―今後の展開について聞かせてください。

まだまだ一般的には認知されていませんので、旅行探しといえばトラベルズーというように認知されることが目標です。数字的には数年以内に300万人まで会員を増やしたいです。

―会員が300万人になったときの掲載料は300万円ですか。

基本はそうです。ただ、アメリカの会員は1100万人ですが、1100万円を払えるクライアントは限られています。そこで100万通ごとの単位でニュースレターを送り、掲載料をいただいています。実は、日本のサービスでも90万通を40万通と50万通に切り売りすることもあります。

―最後に、低迷する旅行需要を喚起するにはどうすればいいでしょう。

もっと分かりやすさが必要だと思います。情報過多の時代に、旅行商品についても選ぶのが苦痛という状況があるのではないでしょうか。販売側が自信を持ってイチオシできるようなプランが増えれば、もっと旅行者は増えると思います。

ネット販売については、激安しか売れないというのは一世代前の感覚です。旅行業界がネット=格安という妄想から抜け出し、チャネルミックスの戦略を描いていくことも大事なのではないでしょうか。

購読申し込み
地旅
夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ