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創立80周年と未来 瀧多賀男さん(下呂温泉旅館組合理事長)(2)

我々は何年も前から牧場を作り飛騨牛を育ててきました。山の中の温泉に来て、魚の造りやエビの天ぷらを出していては仕方がない、この地ならではの食材をということで飛騨牛を育ててきたものです。今でこそ飛騨牛の名も知られるようになりましたが、より多くの観光客に飛騨牛のおいしさを知ってもらい、牛に感謝する気持ちで始めたのが飛騨牛謝肉祭です。

温泉や自然の恵み、先人に感謝

感謝という意味では、温泉もそうです。下呂温泉は、温泉という自然資源で成り立っています。そして、林羅山という儒学者が草津、有馬と下呂を三名泉と名づけて広めてもらったことへの感謝も含めて行っているのが、下呂温泉神社例祭です。入浴客の健康と温泉が限りなく湧き出ることを祈念しています。

温泉感謝祭や温泉神社の例祭では下呂駅から温泉神社までを手古舞、鷺の舞などの衣装を身につけた行列を行っていますが、これも下呂の伝統文化として定着することを願っています。

伝統文化では昨年、下呂音頭を新しく録音し直したほか、温泉神社にある離れの広間「醫王閣(いおうかく)」を整備しました。この広間は以前、当館(水明館)の離れ「掬水荘」を移築したものです。この施設もこれから様々な行事の宴席で使っていけたらと思っています。

―入湯税が市から還元されるようになりました。

この大変な時期に小さな旅館はなかなか設備投資ができません。その点は還元された入湯税を活用して旅館の大小はあるにしても、どの旅館に泊まっても同じレベルの下呂の温泉を楽しんでいただけるように努力していきたいですね。

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