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地旅と歩んだ5期10年 池田孝昭さん(全旅前社長)(2)

―国際交流にも力を入れてこられました。

インバウンドがたいへん増えていますが、これもまた着地型旅行の考えと相通じます。海外から来たお客様をいかに満足して帰すかというのが第一です。その場合、薄っぺらな旅行商品ではリピーターになってくれません。地域の皆さんがこぞって商品提供をする着地型旅行商品でないと日本の良さ、文化を伝えることになりません。

そのためには地域の皆さん全体で海外からのお客様をお迎えし、おもてなしするという環境づくりをしなければならないと思います。そして、来てもらう方の国の習慣、文化をちゃんと理解をした上で受け入れなければ絶対にリピーターにならないし一方的な押し付けでは満足いただけません。そのためには相手国の歴史文化を学びながらおもてなしをすることが大切です。

「お互いがお互いを知る」が観光の基本

―その意味でANTA会員の皆さんとともに海外へ行かれたのですね。

そうです。やはり、お互いがお互いを知ることが観光の基本であって、お客様を送るだけでも、来てもらうだけでもダメです。だから、こちらから出向いて相手の文化、習慣、考え方というのを理解しながら、日本の素晴らしさを伝える。

そのために私たちは海外へ行って交流を深め、お客様を送っていただける同業者の皆さんとの対話を重ねてきたのです。その結果、自ずと相互送客につながっていくはずです。

―在任中でうれしかったこと、印象深かったことは何ですか。

先月も日中観光文化交流団で中国に行き人民大会堂で歓迎を受けましたが、日中国交正常化30周年、35周年、40周年という節目の時の訪問団を二階俊博・全旅協会長のお力で、そのお手伝いをさせていただいたのが一つ。

それからラオスの駐日大使から「日本の飛行機が1回も来ていない。ぜひ日本の飛行機でラオスを訪問してほしい」と依頼され、2009年、220人の皆さんとともにチャーター機でラオスを訪問しました。駐日大使ご夫妻も同行され故郷に錦を飾れたということで、たいへん喜んでいらっしゃったお顔が今でも思い出されます。空港ビルの上に鈴なりのラオス国民の皆さんが出迎えて、大きな歓迎を受けたこともたいへん印象に残っています。

池田孝昭さん

在任中印象に残った
チャーター機でのラオス訪問

地旅と歩んだ5期10年 池田孝昭さん(全旅前社長)(3)に続く

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