楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

旅館の"価値"残り戦略 JTB旅ホ連西日本支部・経営者講習会

JTB協定旅館ホテル連盟西日本支部連合会は2月18日、旅館ホテルの企画財務コンサルタント松井洋治さんを講師に迎え経営者講習会を行った。テーマは「旅館ホテルの数値管理と金融機関対策」で、当初予定していた50人を大きく上回る112人が参加した。

冬至にカボチャを出していますか? 企画財務コンサル・松井洋治さん講演

松井さんは「今日は何の日、というのを大切にしています」と話し、講演を始めた。ある県で講演した時、冬至の日にカボチャ料理を出したり、お風呂にゆずを浮かべたりしている旅館が1軒もなかったことに驚いたという。「冬至も気づかないで旅館ホテルの経営ができますか。リピーターになってくれるのは、おばちゃんです。おばちゃんは、そういう心遣いを感じてくれます。21世紀に生き残る戦略は、そんなところにあるのではないでしょうか」と問いかけた。

次いで「安くすれば売れると考えるのは絶対間違っている」と述べ、ホワイトボードに「価値≧価格」と書いた。「価格だけのところは価値が作れないところです。コンビニは定価売りなのに売上げを伸ばしています。それは、便利さの価値をお客さんが認めているからです」とし、「勝ち組は価値組である」とした。

また、数値監理の必要性について「月次決算は必ずしましょう。前年同期、予算と比較し差異をいち早く見つけ、早め早めの対応を打つことができます」。「経費削減の費目はこれまで、交際費、交通費(旅費)、広告宣伝費の3Kと言われてきました。しかし、これらは明日の売上げを伸ばすための費用です。そうではなく原価、人件費、水道光熱費、修繕維持費といった比例費に注目すべき」と話した。

原価については経営者の折衝力、人件費は「従業員にとっては生活費であり、簡単には削れない」とした上で「誰かが辞めた時がチャンスです。数合わせの採用はせず、残った人たちでがんばるようお願いしましょう」。水道光熱費は契約基本料金の見直し、修繕維持費は「自らの目でテーマを持って館内を見て回ってください。例えばエレベーターの定期点検費は8割がメンテナンス会社の人件費です。削減できるポイントです」などと、具体的に教示した。

購読申し込み
地旅
夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ