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観光まちづくりを起業する―ものがたり観光の創造 近畿運輸局・セミナー(1)

観光まちづくりを起業する―。国土交通省近畿運輸局がこのほど開いた観光まちづくりコンサルティング事業セミナーで、関西国際大学准教授で井門観光研究所代表の井門隆夫さんが講演した。井門さんは、様々な事例を交えて生活者の悩みを解決する着地型旅行業の起業を聴講者に呼びかけた。

個人の力を拡散する―

2005年1月、インド洋沖で起きた大地震。プーケット、モルジブなどリゾート地をはじめ沿岸に大津波が襲った。直接的な被害地だけではなく、周辺ビーチリゾートは軒並み観光客減に陥った。

地震から4カ月。観光客が激減していたオーストラリアのグレート・バリア・リーフに浮かぶハミルトン島がにわかに注目を浴びはじめた。

オーストラリアのクイーンズランド州政府が「世界一素晴らしい仕事」と銘打って、島の管理人を募集したのだった。仕事は、地元の人たちとコミュニケーションをとって、毎日島の様子をブログにアップし全世界に発信すること。そして報酬は1100万円。

ネットで募集を始めた途端、グーグルで「ハミルトン島」の検索数が飛躍的に増加した。応募者数も200カ国から3万人に達したという。最終的には英国人に男性に決まったが、最終選考には日本人女性も残ったそうだ。

井門さんは「管理人は毎日、海に潜ったりして遊んでいればいい。州政府は個人の遊びに1100万円もつぎ込んだんです。だけど、管理人募集の宣伝効果は抜群で、ブログのアクセスも非常に高いし、経済効果は10億円以上とも言われています」。つまり、個人のパワーを用いて"伝える""伝わること"を仕掛け拡散していくことが重要だと話した。

観光まちづくりを起業する―ものがたり観光の創造 近畿運輸局・セミナー(2)に続く

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