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地域文化を守り生かす―近畿歴史まちづくりサミット(2) 文化・景観維持に危機感

大阪府から唯一参加した堺市は環濠都市、百舌鳥古墳群、神輿渡御祭をキーワードに、歴史と共存するまちづくりへの取り組みを披露。3月に開業させた観光拠点施設「さかい利昌の杜」は開館以来30万人が来館する人気ぶりだという。

「サミット宣言」を採択

京都府からは、宇治市が「お茶のまち」としての情報発信とおもてなしの磨き上げに注力。向日市は長岡京など地元の歴史や竹林といった特色を生かしたイメージ戦略を訴えた。

ラストを飾った京都市は、ものづくり・ものがたりづくり・ひとづくりという、まちの多様性と奥深さが今日の人気を支えていると分析。世界からの高い評価におごらず、市民ぐるみでの「新景観政策」など古都の保存に全力を尽くす考えを示した。

開催地である京都市の門川大作市長は各市町の発表を聞いて「住民と行政が地域文化に誇りを持ち、生かすという動きに感銘を受けた」と感想を述べた。発表では、いずれの市町も景観行政や観光振興への高い意識を披露したが、課題として共通するのは「担い手不足」と「町屋の空き家対策」など歴史風致地域ならではのもの。これらへの対応が今後のまちの維持、発展を左右するという危機感が強く表れていた。

発表終了後、歴史まちづくりへの一層の取り組みや情報発信強化など、今後の活動の指針を定めた「サミット宣言」を全会一致で採択。来年度は奈良県斑鳩町で開催されることも決まった。

近畿歴史まちづくりサミット

首長らが勢ぞろいして
「サミット宣言」を採択

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