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外国人が楽しめるニューツーリズムを目指して(2) 現状と地域への意識

アンケートは訪日旅行に関する質問を並べ、訪日旅行や地域特性への意識や現状を明らかにした。

訪日旅行の現状

訪日旅行に行きたいと思うきっかけは、「家族・友人・知人の口コミ」が37.7%でトップ。「旅行情報雑誌・ガイドブック」「テレビ」「ブログなどの口コミ」などメディア系が続き、情報入手手段もこれに準じる。口コミと視覚で地域情報を得られる媒体が動機として大きいようで、情報発信のあり方がニューツーリズム推進への欠かせないカギとなっていることがわかる。

旅行手配の方法は、団体旅行が主流の中国からの参加者が多いこともあり、41.8%が「旅行会社のパッケージツアー(添乗員・ガイド同行)」を利用。「個別に直接手配」は29.2%、「旅行会社のフリープラン」は20.0%だった。「宿泊予約サイト」は10.3%で、まだ敷居が高いようだ。平均旅行期間は1泊2日と2泊3日を合わせて約50%と短い。

訪日旅行推進へクリアしなければならない課題である多言語対応とアクセス。多言語対応の重要度を求められるのは、観光案内所、交通機関、パンフレット・地図の順。「これさえあれば」というわけではないだろうが、観光立国を標ぼうする上では整備されて当然ともいえそうだ。主に利用する交通機関は鉄道、貸切バス、路線バス。トップである鉄道は特に多言語対応が求められる。

地域ツアーへの意識

日本国内の旅先での「地域特性を生かしたツアー」への参加経験は「ある」が40.9%。地域ツアーの情報入手手段はやはり口コミがトップだが、続く出発前の旅行会社からの情報収集も欠かせないよう。申し込みは出発前に旅行会社やインターネットからが多い。

「日本国内で興味のある体験・ツアー」の1位は「伝統的な食文化体験」で30.6%。次いで「農山村の風景を見学」「伝統的な町並み巡り」「安価で日常的に食される庶民的な食文化」。伝統や農山村の風景への興味が高く、大都市だけでなく地方に対する興味が高いことが伺える。ゴールデンルート以外の開拓に頭を悩ませる各地域からすると好結果で、今後の発展が期待できるデータといえそう。外国人旅行者の日本への興味の深化もうかがえ、さらなる情報提供の強化が望まれる。

「地域特性を生かしたツアー」への参加意向は、「ぜひ」と「機会があれば」を足すと94.2%もの人が意欲を示した。このことからも地域ツアーのポテンシャルの高さが垣間見えるといえないだろうか。

その理由は「個人では体験できないことができる、行けないところへ行ける」が44.5%を占め、「地域を深く知ることができる」が続く。言語の壁を低くしてくれるとも言えるツアーの魅力の高さは、日本人の海外旅行と同じ。ツアー時の対応次第で口コミ対応を上手に行うということも意識すべきということだろう。

「地域ツアー」で不便なことは、やはり「外国語で案内しているツアーが少ない」こと。入手壇など全般的に情報が少ないことが機会を損失しているといえそうだ。やはりカギは「情報発信」のあり方か。

外国人が楽しめるニューツーリズムを目指して(3) 推進に向けたポイントに続く

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