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顔が見えるリアルな活動を 大分「おんせん県」への意気込み

この夏から大分県が「おんせん県」を名乗り売り出している。源泉数、湧出量とも日本一を誇る温泉資源を前面に、都市圏でのプロモーションや旅行会社とのキャンペーンを始めた。民主導の「おんせん県観光誘致協議会」がけん引する。

西田陽一さん(おんせん県観光誘致協議会会長) 「突き抜けた『錦の御旗』を」

きっかけは、東日本大震災や九州新幹線の開業など、大分県観光にとっての逆風だった。「次代の大分観光を考える経営者会議」を立ち上げ善後策を検討。うどん県(香川県)、おしい!広島県(広島県)などが話題になる中、大分県観光を統一するイメージ戦略の必要性が論じられた。

おんせん県観光誘致協議会の初代会長、西田陽一さん(別府温泉・ホテル白菊)は「小藩分立時代の長かった大分県の県民性を考えると、突き抜けた『錦の御旗』が必要でした」。特に「これまでは行政と民間がバラバラで事業を行っていた」ことからも、意思統一する上で県外はもちろん、県内にもキャッチは欠かせなかった。

西田陽一さん

大分県=「おんせん県」を
アピールする西田さん(右)

協議会は7月25日に正式発足し、誘客に結びつく事業を創出することを目標に(1)団結力を持って臨む(2)数値化して検証する(3)消費者、競合相手、自分たちのことを知る―を活動指針に掲げた。

その中でもこだわったのが、顔の見える活動。他県のプロモーションは動画サイトの活用などバーチャルが中心だが、「旅の本質は旅行先での現実や感動です。だからこそ観光に携わる私たちが顔を出し、街頭宣伝や旅行会社へのセールス活動といったリアルなプロモーションに力を入れているのです」と西田さん。

8月下旬から9月上旬には、官民そろって大挙して関西に乗り込み「おんせん県」をアピールした。

地域磨きを大事しながら、売る、検証する、広げるまでを包含した「おんせん県」の活動でありたいという西田さん。さらには国際観光戦略を見据えて、道州制下で九州全体を「温泉道」にしたいと意気込む。

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