地域循環のモデルをつくる 三重・鳥羽市にエコツーリズム推進協
観光を手段として三重県鳥羽市の自然や歴史文化などの資産を生かし、循環型の地域社会を形成することを目的にこのほど、鳥羽市エコツーリズム推進協議会が設立された。
7月8日に開かれた設立総会では、初代会長に江崎貴久(きく)さん(海島遊民くらぶ代表)を選出したほか、自然や文化資源を効果的に循環させるモデルの構築、エコツーリズムの普及活動などからなる事業計画を定めた。
同協議会は設立までの1年間を準備期間として、様々な団体や業界との連携を模索してきた。その中で、7月下旬に発表した「伊勢志摩国立公園を一次産業、二次産業、三次産業で守る取り組み」は、循環モデルの第1号事例となるものだ。
鳥羽市をはじめ伊勢志摩一帯はリアス式海岸で風光明媚であるのはもちろん、魚介類が豊富な好漁場で、海女をはじめ独自性の高い漁村文化を発展させてきた。ところが近年、その豊かな海に異変の兆候が見られるようになってきたという。海の豊かさを支える森に人の手が入らず、見た目とはうらはらにうっそうとした森林に荒廃してしまった。以前は、燃料や船具として利用されてきた森が放ったらかしになり、地面に光が入らず土地を痩せさせてしまうことになった。
その結果、森から海に流れ出す水の栄養価が落ちてしまい、魚介類を育む海草の生育に影響が出だしたという。
協議会では、森が荒れる原因になっているウバメガシを間伐し、薪づくりに取り組む鳥羽市初の林業会社を支援。薪の購入先を手立てし、伊勢市おかげ横丁を運営する伊勢福、志摩市の波切節(カツオ節)製造販売メーカーにウバメガシの薪を使ってもらえることになった。
江崎会長は「観光という手法を使って地域循環を促し、100年後もこのまちで生きていけるモデルを作りたい。循環モデルを示すことができると、ビジネスモデルにもつながっていくのだと考えています」と話している。
(10/08/04)
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