休暇分散化で旅行消費1兆円増 観光庁が調査試算
観光庁は6月28日、今年のゴールデンウイーク(GW)の観光旅行動向の調査結果を発表した。国内旅行消費額は約1.4兆円だったが、GWの混雑が緩和されればさらに約1兆円の国内旅行消費額が増加するという試算もはじき出した。休暇分散化による旅行需要の創出効果の裏付けとして、制度導入への理解促進につなげたい考えだ。
GW動向調査から混雑緩和の効果推計
GWの国内旅行の実施率と旅行者数は、宿泊が20.2%で2066万人、日帰りが35.0%で4454万人。ただし、4月上旬の時点でGWの国内旅行を計画していた人は宿泊27.0%、日帰り53.1%であり、実行に移した人は少なかったことになる。旅行消費額は宿泊9272億円、日帰り4454億円だった。
また、宿泊施設・観光地の状況をみると、全国252施設で5月1―4日の客室稼働率は平均92.3%で、前後1週間は約50%。4月29日―5月5日には、混雑から宿泊施設1軒あたり101件の宿泊予約を断っていた。観光地では、全国424地点の総入込客数は1475万人で、施設同様、前後1週間と大きな落差があった。
今回の調査は、観光庁が推進する休暇分散化の効果の推計という意義を含み、今年度から開始。そのため、実際の数値結果と消費者の国内旅行動向への意向調査からGWの混雑緩和による新たな旅行需要を試算した。
交通渋滞や宿泊施設の確保難、観光地の人混みなどGWの混雑が緩和された場合、GWに国内旅行に行かなかった人の32.1%が「国内宿泊旅行に行くと思う」、実際に行った人も35.7%が「もっと行く」と回答。混雑が緩和されても意向に変化がない人は、宿泊料やツアー料など旅行料金が3割安くなれば、行かなかった人の20.3%が「行く」、実際に行った人は28.2%が「もっと行く」という意向を示した。前述のようにGW前の意向に反して実際の旅行者は減少したが、混雑緩和や費用低下で消費者の旅行意欲が向上するという結果が示された。
この結果から試算されたGWの混雑緩和による国内旅行消費額の創出効果は、新たな宿泊旅行実施分が4730億円、回数・宿泊数増加分が800億円、日帰りから宿泊への変更分が1510億円、新たな日帰りの実施分が2850億円で、計9890億円。さらに旅行料金の低廉化で3千億円が見込まれ、合計約1.3兆円が純増するとしている。
調査は4月3―6日に1万4466人、5月15―16日に1万301人を対象にインターネットで実施。観光庁は今後、観光旅行のピーク時期として、お盆と年末年始にも動向調査を行う。
(10/07/15)
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