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大正浪漫漂う空間美 別所温泉・旅館花屋/長野

18/06/27

多くの国宝や重要文化財が点在することから「信州の鎌倉」とも呼ばれる上田市塩田平に1400年もの歴史があり、美人の湯と称される別所温泉がある。その別所温泉で大正6年(1917年)創業の老舗旅館が「旅館花屋」だ。

旅館花屋は6500坪の敷地に、延べ1500坪の木造建築が点在。各棟は文化庁登録有形文化財に指定されており、切妻造り鉄板葺きで数寄屋風の渡り廊下で結ばれている。渡り廊下からは四季折々の風情を感じられる庭が眺められ、夜は白熱灯が灯り宿泊客を和ませている。

客室は40室。大正浪漫を感じる本館は27室で、しつらえや趣き、広さ、眺望が異なり建設当時の宮大工の丁寧な仕事ぶりを偲ばせる。源泉掛け流しの内風呂がついた離れは10室、露天風呂がついた特別室と貴賓室3室からなる。このうち貴賓室「桜御殿」は、上田城近くにあった武家屋敷を移築し改装。玄関や床の間、書院など随所に質実剛健な様式美を表し、花屋唯一の檜の露天風呂が備わる。

旅館花屋

数寄屋風の渡り廊下には歴史風情が漂う

温泉は単純硫黄泉で大理石風呂、若草風呂、男女別の露天風呂といった3種類を用意。特に大理石風呂はステンドグラスとドーム型の天井が特徴で、全国でも稀少なものと評価されている。

旅館花屋

全国でも稀少な装飾が特徴の大理石風呂

料理は、旬の彩り豊かな本格的な会席料理が自慢。花梨の板が敷き詰められたダイニングや梁の天井が美しい食堂で提供する。離れや特別室、貴賓室では部屋食も可能。

同館では「大正時代当時の建物を受け継いでいる花屋独特の空間美と旬の食材を使った会席料理を食しにぜひお越しください」としている。

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