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おごと取り巻く深い歴史風土 「日本天台三総本山」大津に集結

古刹のおひざ元と湯治の郷としての歴史

大津市のおごと温泉は滋賀県を代表する温泉地として、滋賀、広くは京都観光の宿泊拠点として名を馳せる。その魅力を語るなら、比叡山をバックに、琵琶湖畔に立地し「港を有する温泉地」という環境もさることながら、地域とともに発展してきた歴史にも着眼すべきだ。関西の奥座敷から、世界の観光客を受け入れ、送り出す「ハブ温泉地」へ。その深く上質な歴史の趣を背景に、さらなる発展を図る。

「比叡山に一番近い温泉地」であるおごと温泉の歴史的な魅力の1つが、地元大津市の特徴的な歴史環境だ。比叡山にある天台宗総本山で世界文化遺産の延暦寺に加え、天台寺門宗総本山の三井寺、天台真盛宗総本山の西教寺という天台三宗の総本山が市内にそろうことから、「日本天台三総本山」と銘打ち、アピールしている。

比叡山延暦寺は言わずと知れた"日本仏教の母山"。天台宗開祖・最澄が開創して以来、1200年以上にわたり信仰を集め続けている。総本堂である国宝・根本中堂をはじめ見どころは豊富で、世界文化遺産として国内外から多くの観光客が詰めかける。

比叡山延暦寺

比叡山延暦寺の阿弥陀堂

三井寺は国宝の金堂が目をひき、西国三十三カ所霊場札所の観音堂など荘厳な空気が漂う。王尾八景の「三井の晩鐘」でも知られる。

西教寺は聖徳太子の草創と伝わるほか、織田信長の比叡山焼き討ちから明智光秀が復興、今も明智一族の墓が残るという独特な歴史を有する。本堂や伏見桃山城のから移築した宮殿も見どころ。

西教寺

西教寺

おごと温泉観光協会や旅館組合は、モデルコースを策定するなど、この地元の重厚な歴史を意識した取り組みを地域一体で展開。おごと拠点の歴史観光を推進している。

おごと温泉自体の歴史にも天台宗が関係する。開祖・最澄が1200年前に開湯したと伝えられ、温泉地南にある天台宗・法光寺境内の池から湧きだす地下水を飲むと難病は癒え、池の泥を塗ると皮膚病も治るという言い伝えから霊泉とされてきた。大正時代に霊泉はラジウム鉱泉であることが判明し、温泉開発が本格化。近年は旅館組合と観光協会が「地域全体を売る」という意識のもとで魅力創出を積極的に展開し、「おごと温泉」の新時代を開いている。

湯治の郷としての歴史を支えてきた泉質は、高アルカリ性単純温泉。神経痛や筋肉痛など様々な効能が挙げられ、入浴すれば滑らかな肌触りになることが特徴の「美肌の湯」としても知られる。

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