コラム「象の指環」
09年4月10日号
フェリー業界の人と長い立ち話になった。話題は、高速道路休日1000円のこと▼「もうエライことですわ。不況で物流も苦戦しているのに、その上、高速1000円でしょ。春休みだというのに旅客も激減です。燃料高騰がようやく落ち着いて、これからという時なのに」と嘆いていた▼環境にやさしいモーダルシフトだと言って、国は少し前までフェリー業界を鼓舞していたはずなのに。この間、フェリー業界もただ手をこまねいていただけではない。国会議員へも陳情を行ってきた。「先生方もようやく腰を上げてくれそうですが、それまで持つかどうか」と切実だ▼大阪発着の瀬戸内海航路は、過去には新婚旅行で、近年でも修学旅行で多く利用されてきた。景気対策の御旗で、切り捨てていいものではないはずだ。(T)
(トラベルニュースat 09年4月10日号)
09年3月10日号
3月5日から定額給付金の支給が始まった。観光業界でも給付金を利用して旅行で出かけてもらおうという企画が活発化している▼滋賀県のおごと温泉では給付金の支給が決まった昨年秋から宿泊プランをつくり、支給日を待った。日が決まって即、マスコミにニュースリリースを流し情報発信を行ったところ、数多くのマスコミからの取材が殺到したそうだ。これからどれくらいプランを使った宿泊客が増えるのかはわからないが、先手必勝であるには違いない。二番煎じの情報にマスコミは飛びつかない▼宿泊客が減った、ツアーに客が集まらない、団体需要がなくなった。だから業績が悪化して赤字になった、と嘆いても何も変わらない。おごと温泉をみていると、時代の流れを的確につかみ、即行動に移すことに長けているように思える▼すべてが成功しているというわけではないだろう。しかし常に環境の変化を念頭においての取り組みに学ぶべきことは多い。(坊)
(トラベルニュースat 09年3月10日号)
09年2月25日号
国内旅行活性化のホワイトナイトはどこにいるのか。観光庁は先ごろ、観光立国推進のためのアクションプランをまとめ、そのなかで日本人の宿泊旅行を増やすには、成長分野となりそうな客層を設定して、重点的に取り組むことが必要だと書き、大学生、小学生の子どもを抱える家族、団塊世代の3つのカテゴリーをあげている▼まずまず見慣れたメンバーだけど、ここに公務員と公務員OBも加えてほしい。国家公務員、地方公務員併せ、全国の現役公務員の数は約360万人。核家族だとしても720万人の塊ということになる▼不祥事を起こしたり、夕張市でもない限り、まず失業はない。年金制度も一般会社員と異なり、退職後の不安も少ない。消えた年金問題とも無縁だった▼自らが公務員ということで書きづらかったとも思うけど、裏アクションプランでいいから取り組んでほしい。職場旅行の奨励でもいい。日本を救うため、公務員は旅に出ようと。(あ)
(トラベルニュースat 09年2月25日号)
09年2月10日号
5、6室しかない小さい宿に泊まった。外観は鉄筋コンクリートで風情もないが、館内は清掃が行き届いていて、飾りつけなどで心安らぐ演出を施してある▼客室はこたつが配され、我が家にいるような雰囲気が心地よく、昔の旅館はどこもこういった雰囲気で、文人や映画人が多くの作品を残せたのも、この安堵感に触れることができたからかもしれない▼朝食後、部屋に戻ると「お帰りまでのひとときに」のメッセージとともにジャスミン茶が用意されていた。施設は古くても「こぎれいで心配り」に勝るサービスはない。(坊)
(トラベルニュースat 09年2月10日号)
09年1月25日号
観光庁アドバイザリー・ボードができた。「観光庁政策検討委員会」なんていう名称じゃないことも、きっと観光には重要なのだろうと思う▼目玉の人選は、元サッカー日本代表で現在は旅人の中田英寿さん。お陰でスポーツ紙をはじめ、観光庁発足の日に負けないくらい多くのメディアが取材に来ていた▼本保・観光庁長官があいさつし、その正面に中田さんと商船三井相談役の生田さん。初代観光庁長官を占った本紙の放談で、候補として名前をあげた3人だ▼さて、彼ら長官と元本紙長官候補が、第1回目の会議で意見を交わしたのは、年間宿泊4泊など5大目標を柱とする観光立国推進基本計画のアクションプランについて。主に2010年を目標年とする5大目標の多くがピンチを迎えるなか、ゴールにつながるスルーパスは放たれるのか▼このゲームには誰もが参加できる。年初に当たって12番目のプレイヤーの1人として、仕事外宿泊旅行年間12泊と放言しておく。(あ)
(トラベルニュースat 09年1月25日号)





