ニュースメニュー
ニュースメニュー
会社案内メニュー
会社案内メニュー
ホーム > 本紙から > コラム「象の指環」

コラム「象の指環」

08年9月25日号

旅行作家の大先輩2人と旅館のホスピタリティについて話をしていたときのこと。山形県かみのやま温泉「日本の宿古窯」の話になった▼古窯では敷地内に1200年前の窯跡が発見されたのを機に「らくやき」をはじめ、各界の著名人が描いた絵皿を陳列した「らくやき画廊」があることで知られる。このお2人が驚かれたのは、先日ある会で古窯に行くと、お2人の絵皿が一番目につくところに飾ったあったことだ▼何千枚もある絵皿の中から、その日来られる客人の作品を取り出して飾るなんて、そう簡単にできることではない、と女将の心配りの深さに脱帽したという。あちこちの旅館では「真心をこめてお客様をお出迎え」と口にするが、言っていることと実際は大きく違う場合が多い▼古窯の女将さんは日ごろから「人の出会い」や「人のご縁」がいかに大事であるかを話している。有言実行されている話を聞いてうれしくなった。(坊)

(トラベルニュースat 08年9月25日号)

08年8月25日号

映画好きの入口となった「小さな恋のメロディ」に墓地でデートするシーンがある。墓石を見ながらメロディがダニエルに話しかける。「見て、亡くなった日が1週間しか違わない。本当に愛し合っていたのね。私たちにできるかしら」「大丈夫。僕たちはもう1週間も好き合ってる」。こんな会話だった▼連れ合いの祖父と祖母が7、8月に相次いで亡くなった。6年ほど前に脳梗塞で倒れた祖母の介護を、祖父は自分でやりたがった。祖父は自分が肺がんで入院し、亡くなる3日前まで介護を続けた。祖母はそれから3週間ほどで亡くなった▼祖父は戦争で中国大陸に取られ、終戦後、岐阜に入植した。外地で夫が戦死した祖母と知り合い、1男1女をもうけ2男2女を育てた。連れ合いの母は、祖母と前夫の長女にあたる▼なんだろう。市井の人にこそ偉い人がいると思う▼「俺が死んでからどのくらい生きる」。連れ合いは「20年くらいじゃない」と言う。(あ)

(トラベルニュースat 08年8月25日号)

08年7月10日号

最も美しい洞爺湖を見たいならザ・ウィンザーホテル洞爺からの眺めがお勧めだ。そこからならザ・ウィンザーホテル洞爺が目に入らないから▼こういうジョークは流行っていないのか。13世紀のお城じゃあるまいし1990年代に、こんな場所に、こんなものを建ててと、それは別にしても、なにもここで環境問題を議論しなくてもと思った首脳はいなかったのだろうか。城だけに確かに警備しやすそうだが▼何年も前、ニセコで東山プリンスホテル新館に泊まったとき、どうしてこんな場所に、こんな建物がと、恥ずかしかった。自然環境のいい場所に施設を作る旅館業は、そのことだけである種の罪も背負う▼それでも、「施設からの景色」だけじゃなくて、気持ちよく「施設を眺めてもらう」ためのセンスや工夫はある。前回のサミットのザ・ブセナテラスに、そうした恥ずかしさを感じなかったように▼それでも事務所の居候は、ウィンザーに泊まりたいと言っているけど。(あ)

(トラベルニュースat 08年7月10日号)

08年6月25日号

6月18日、今年初めての真夏日となった山形県上山市で、第86回全旅連全国大会が開かれた。会場の外では芋煮や串コンニャクが振る舞われ、会場内では、実をつけた鉢植えのサクランボ300鉢が参加者にプレゼントされていた▼14日、岩手・宮城内陸地震が起きた。旅館の被災もあった。東北の広い範囲で新幹線が止まり、高速道路も安全確認のため通行止めになった▼震災後の常ながら、被災の有無に関係なく、岩手、宮城の広い範囲で宿泊予約のキャンセルがある。わずか4日後に、同じ東北で開かれる全国大会への影響を心配した▼実際には、大会には過去最大規模の1200人が参加した。47都道府県すべてが参加したのも初めてだという。大会を通じて、お見舞いの言葉もたくさん聞かれたけど、ステージの花笠音頭や懇親会もみんなで楽しんだ。岩手、宮城の旅館経営者も大勢が参加し、全国からの同業者を歓迎する心意気を見せた。いい全国大会になったと思う。(あ)

(トラベルニュースat 08年6月25日号)

08年5月25日号

京都で取材をした帰り道に火をつけようとすると、三条通の歩道に例のマークが大きく描いてあった。通勤ルートだった御堂筋は去年秋から路上禁煙だ。その直後、何人かが千円の過料を支払うのを難癖つけたり、走って逃げた。駐禁と同じで「大阪らしいのぅ」とは笑えなかった▼「ストレス解消や」とうそぶいてきた。そこら中が例のマークだらけの都内なんて、まさに敵国に乗り込むようなもんだと思っていた。無駄遣いと言われても「お金には換えがたいこと」と、のたまわってきた▼去年の夏、ある旅館のロビーに灰皿が置いてあったので、堂々と吹かしていた。家族連れがロビーに来たから慌てて消した▼やめる気はない。でも、周りの人が迷惑に思い、他人の健康を害することは知っているつもり▼群馬県・伊香保温泉のホテル木暮に「あぁ、こんなところで戯れたい」と思うようなシガーラウンジがある。ストレス解消に行きたい、と思う喫煙者もいたりする。(T)

(トラベルニュースat 08年5月25日号)

08年5月10日号

「仕事の対極は休みじゃなくて遊びらしいですよ」。東京総局のIT担当の居候兼記者は「よいゴールデンウイークを」と午後6時少し過ぎに事務所を出た▼香港から来ている友人と、これから宿泊先のペニンシュラ東京で待ち合わせて食事に行く。明日は天気がよければ都心をサイクリング、明後日から軽井沢のセカンドハウスに滞在して薪割り▼ひと月ほど前、アウトドアウェアのパタゴニアのメールマガジンに「広報担当者2名とも、2週間の休暇のため、暫く対応できません」とあった。日本の会社だったら交代で休むんだろうけど、さすがにパタゴニア。目指すは社長不在の経営管理、社員をサーフィンに行かせようという会社▼この間知り合った、サンフランシスコから来日した中国系アメリカ人。勤続30周年のリフレッシュ休暇で日本にやってきた。休暇の長さは、有給で8カ月。クール▼やっぱり問題は、観光業界に働く人がどれだけ旅行してるかだよな。(あ)

(トラベルニュースat 08年5月10日号)

08年4月25日号

先日、福井県大阪事務所のIさんに永平寺に連れて行ってもらい、生まれて初めて座禅を体験した。私たちのほかに、母娘2人が一緒だった▼若い雲水さんに禅堂へ連れていかれた。母親は少し足が悪いらしく、遅れがちについてきた。禅堂の控えで、雲水さんは我々に「私語は一切ご遠慮ください」などと、いくつかの注意と作法を話した。凛として静かに語りかける口調に緊張感が増した▼座すまでの作法も細かく、畳の前に板がはってあり、そこは雲水が食事を置く場所なので、手も足も一切触れてはならないということだった。板に触れず畳の方へ身体を移動させるのは、なかなか難しい動作だった▼隣りの母親が静寂を破った。「あたし、足が悪くて」と言いながらペタペタと板を触り、足を置き、娘が思わず「ちょっとお母さん」と言ったところで、母親は「わはははは」と笑い始めた▼雲水さんを見ると、表情を変えず無言で凛としたまま。貴重な体験だった。(T)

(トラベルニュースat 08年4月25日号)

08年4月10日号

♪ねじれてねじれてキャッキュッキョ、シャッシュッショ、チャッチュッチョ、うーん、ねじれてー♪ カリキュラマシーンの名曲、タイトルは知らないけど50音のねじれる歌だ▼4月1日以降、ガソリン代が下がって、福田首相は謝罪会見をした。値下げを防げなかったのは残念だと。年金だの、防衛庁だの、米軍の犯罪者野郎や、サイコ殺人者野郎の放置、新銀行東京の現状だの謝ることはほかにたくさんあるだろうに。新銀行は別の人だった▼1974年からずっと続くガソリンの暫定税率。暫定の意味さえ変えてしまうほどの長さ。74年に結婚し33年連れ添った暫定夫婦はすでに銀婚式を終え、妻は間近に迫った夫の定年後の離婚をスケジュール帳に書き込んでいるというのに▼ところで冒頭のねじれる歌だけど、このあと歌はさらに、な行、は行、ま行、ら行、が行、ざ行、だ行、ぱ行へと続く。ねじれもくびれも嫌いじゃない。さあ歌える人はご一緒に。(あ)

(トラベルニュースat 08年4月10日号)

08年3月25日号

行きの地下鉄で1巻目を読み終え、羽田空港で「沈まぬ太陽」の2巻目を買った。2日後の石垣島で3巻目、帰りの羽田空港で4巻目を買いモノレールに乗った▼1985年8月12日に起きた日航機の御巣鷹山墜落。当日のNHKのニュースで、当時キャスターだった木村太郎が500人以上の乗客全員の名前を読み上げるよう記者に指示していたのを覚えている▼悲惨な事故でも、やがて新聞記事にも飽きて、今では日航機墜落は年表に加えるだけの記号に変わっていた。当たり前だけど、それはただの記号じゃなかった。新聞とは違う、小説の伝える力を思い知らされている▼昨年、47歳で初めて山崎豊子を読んだ。大地の子だった。有吉佐和子といい、女性はすごい。取材も物語も、やっぱり男より女だと思う▼石垣島へは往復ともJAL系だった。最近、千歳と小松で許可前滑走や、滑走路への誤進入を続けているJALの機中で読む、沈まぬ太陽は強烈だった。(あ)

(トラベルニュースat 08年3月25日号)

08年3月10日号

大阪産業創造館が実施した「コラボde繁盛」というイベントに行った。旅行をテーマに、様々な業種から出展してもらい、旅館の新しいビジネスモデルを創出するマッチングを促そうというものだ▼出展ブースすべては回れなかったけれど、いくつかの出展者から話を聞いた。もしかすると地域のお荷物になっていたかもしれない行政主導の大規模スポーツ施設とコラボレーションし、今度は食品メーカーとコラボして「アスリートカレー」を販売しようとしているスポーツに特化したホテルの社長。環境保全を背景に1台の車を複数で使用するカーシェアリングを旅館に売り込もうとする社長。既存の旅行は止めてドバイやインドへの視察だけを売り込む旅行会社...▼その後少しして、JATA経営フォーラムではセコムの会長から「捨てる勇気」なんて話を聞いた▼新しいビジネスモデルが何かは皆目見当がつかない。でも、尖っている人は面白い。(T)

(トラベルニュースat 08年3月10日号)

<< 1  2  3  4  5  6

日刊トラベルニュース 新着記事

本紙から アーカイブ
がんばろう!日本
がんばろう!日本