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本来の「車の両輪」に

11/03/10

旅館団体のどの組織も全盛期の約半分の会員数になっている。その理由としては会費が高い、入っているメリットがない、廃業や倒産などによる減少が挙げられる。

大手旅行会社と協定する旅館連盟の会員も減ってはいるが、旅行会社側からすると「会員旅館が多くてもすべてに送客はできない。自社にとって有益な旅館だけが会員として残ればいい」という考えに変化してきた。数を誇るのではなく「実」を取る時代というわけだ。

旅行会社にしても減少傾向は旅館ほどではないとはいえ、大手と中小の提携関係は微妙になってきた。大手は決められた額を超えられない中小との関係は見直したいし、中小も一部の大手と組んでも手数料率が上がらず、売上げに結びつかないため「全方位外交」することで、収益確保を図ろうという動きが出ている。

これまで大手旅行会社は旅館や提携旅行会社に対して、「車の両輪」「ウインウインの関係」などと表現してきた。しかし、その実は車の両輪の大きさが違っていて、片方だけ磨耗し同じところをぐるぐる回る状況下であった部分がなくはない。大きく時代が変わろうとするなか、異業種からの参入も著しい。今こそ、本当の意味で「車の両輪」になることで、ウインウインの関係を構築したいと思うのだが・・・。

(トラベルニュースat 11年3月10日号)

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