京都の首長の矜持
旅行業団体の新年会や総会、商談会で地元の知事や市長が出席することは、まずない。ほとんどが代理出席で、あらかじめ用意されたあいさつ文を代読するというパターンだ。
しかし京都の場合、公務での出張以外、山田啓二知事、門川大作市長が出席し、自らの口で思いを語る。いつもタイムリーな内容なので、興味深く聞かせてもらっている。
先日の会合で山田知事は民泊について「民泊といえば聞こえはいいが、要は闇宿泊であり闇ドラッグと同じだ」とし「今どのように取り組むかによって旅行業が安心、安全に伸びていけるかどうかが決まる。正々堂々と仕事ができる環境づくりを図りたい」と言い切った。
門川市長も「市長になって10年になる。これまで景観や観光振興施策に取り組み、多くの外国人観光客が訪れる京都にはなったが、税収はピークから150億円も減収になっている」と税収を上げるむずかしさを語り、民泊に対しても「これから政令や条例の取り決めに入るので、今が正念場」と強調。国が中途半端に登録認可を下ろせば、国に責任をとってもらう条例を作りたいと、小気味いい。
現場を知り、自らの言葉で語る首長の存在いかんで地域の観光は大きく変わる。各地の首長に頑張ってもらいたい。
(トラベルニュースat 17年10月25日号)
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