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2010年の観光トレンド予測(2)

観光業界に携わる有識者15人の方々が答えた「2010年の観光トレンド予測」(下表)。

「華」「創」「絞」「外」「競」・・・ 漢字1字で表す

漢字 選者・コメント
井門 隆夫さん(ツーリズムマーケティング研究所主任研究員)
「環境志向が一層進み、若い世代を中心に自然回帰し始め、『山』や『森』に足が向いている。観光産業に目を向けると、経営変革の『山』場がきそう」
池田 良穂さん(大阪府立大学大学院海洋システム工学分野教授)
「中国を中心として観光ブームが到来する」
井村 日登美さん(ホテルジャーナリスト)
「宿に対する考え方の違う外国人の利用増によって、新たな宿が市民権を獲得していくのでは」
大社 充さん(NPO法人グローバルキャンパス理事長)
「農家レストランが流行しているように、素材を活かしたあまり手を加えないありのままのデスティネーションの魅力が人びとの注目を集めるのではないか」
久保田 美穂子さん(財団法人日本交通公社主任研究員)
「21世紀最初の10年は終わった。浮かれ、迷い、揺らぎの時期を経て、どうなるか、ではなくどうするか。いよいよ創り出す時だ」
小原 健史さん(和多屋別荘代表取締役)
「経済全般も観光産業も低迷し続けた09年から、一『転』して上昇に『転』じさせるため、原点である『嬉野温泉の繁栄』と『観光産業、旅館業の振興』を図りたい」
高橋 一夫さん(流通科学大学サービス産業学部教授)
「外国人が日本へ、家のなかから外へ、日本人が海外へ、『外』に出てもらうことが観光を活性化する。その願いを込めて」
玉置 泰紀さん(関西ウォーカー編集長)
「インバウンドの主役は、やはり中国。上海万博には大阪館が出展し、平城遷都1300年も中国客抜きには考えられない。来年以降、中国が観光の焦点だと思う」
丁野 朗さん(日本観光協会常務理事)
「事を成すには大計も必要だが、まずは身近なこと(事業)から率先して実施できるような環境づくりこそ求められる。2010年は、そのような年になることを期待する」
永山 久徳さん(ホテルリゾート下電代表取締役)
「闘う相手が新型インフルエンザや浮揚しない景気であることはもちろん、消費を喚起するアイデアを次々に実行に移す他の業種との闘いもますます激しくなる」
名古 ひかりさん(旅行ガイドブック編集者)
「ETC1000円の影響で『車でより遠くまで行きたい』という人が増えている。ガイドブックも近場よりも遠隔地、関西圏では中国・四国、首都圏では東北エリアの本が好調」
橋爪 紳也さん(大阪府立大学観光産業戦略研究所長)
「上海万博、シンガポールの大規模都市型リゾート開発など、各地で都市開発が実現する。国際観光だけではなくMICEも含めて、都市型観光にあって大競争の時代に」
松坂 健さん(西武文理大学サービス経営学部教授)
「これまでの常識とは異なるリゾート需要が現れてくる。旅習慣は意外に保守的で心理的な抵抗が大きいが、そろそろ『終わりなき苦しい日常』に庶民は飽きてくる」
李 有師さん(大阪千代田短期大学物語観光情報研究センター所長)
「観光ファンダメンタルズ(基礎的要因)がフォーディズム以来の文明史的な変革期を迎えたにもかかわらず、新時代の観光プラットフォームづくりが国家規模の遅滞」
山田 桂一郎さん(JTIC.SWISS代表)
「ターゲットを絞る、知恵を絞る。必要なことは絞らなければならないが、既得権に汲々として地域やスタッフのやる気などは絞らないように」

(トラベルニュースat 10年1月1日号)

2010年の観光トレンド予測(3)に続く

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