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旅館業界まったなし―佐藤・全旅連会長に聞く(4) 国民の命守る

―激甚災害の時の旅館ホテルの役割を明確化し訴えていくわけですね。

そうです。その上で耐震改修法ということです。つまり、被災者を受け入れる施設は当然、耐震工事をしなければなりません。耐震工事をしておくと安心して被災者を受け入れることができますから。国の一番の使命は国民の命を守ることですから、我々が被災者を受け入れて安心安全に命を守る役目を果たします。ですから、支援をお願いしているんです。民間の建物である旅館ホテルの耐震工事に対して、国や県や市町村が支援をしなければならないのかと国に言われました。劇場なども耐震工事をしなくてはいけないことに変わりはないじゃないかとも言われました。

被災者受入に適した施設

それに対しては、我々が被災者を受け入れて国民の命を守る業務を果たすのだと強調しています。3・11の時は延べ500万人以上を受け入れて、皆さんに喜んでいただきました。被災された方が旅館ホテルで生活して元気になって帰っていかれました。旅館ホテルは、緊急避難所の体育館とは違います。ダンボールで囲んだ空間ではなく、客室もあるしお風呂もあります。ホスピタリティのある接客を行う社員もいます。いろんな意味で被災者を受け入れるにはいい施設です。そういう見方をすると国からの支援があってもおかしくありません。

国と地方公共団体(都道府県や市町村)の補助金がありますが、制度として確立していません。耐震診断では、地方公共団体が3分の1を負担すれば、国が2分の1を負担することになっています。改修工事に関しては地方公共団体の補助があった場合、国3分の1、地方公共団体3分の1、民間3分の1という応分負担になります。これが「防災拠点」として認められると、最大で国が5分の2、地方公共団体が5分の2ということになり、我々の負担が軽減されることになります。

いずれにせよ、耐震工事はいつかはしなくてはなりません。住宅も今は耐震改修工事を行っていますし、避けては通れません。ならば積極的に取り組み、我々が耐震改修をする場合は、国や地方公共団体から助成してもらえる方向に持っていくべきでしょう。

―消費税は引き上げる方向が見通されています。

消費税については民主党政権下に外税化できないかと話をしました。自民党に交替し、これまでは税サ込みで表示してきました。2014年4月から消費増税が実施されると、17年3月までの3年間に限って外税表示が認められる「消費税の価格対策などの特措法」が施行され、税サ別で受けることができます。例えば1万円の宿泊料に、消費税8%の800円、サービス税の150円をお客様から頂戴できることになるわけです。そうではなく、1万円の中に税サをインクルーズされてしまうと我々の利益はなくなってしまいます。消費税率も10%で終わるかというと、世界レベルでは20%の国もあるわけです。今回、ここでお客様から税金をいただくことをやっておかなけければ、利益がなくなってしまうどころか赤字になってしまいます。

耐震、消費税の2点は重点的に取り組んでいきますので会員、関係先の皆さんにぜひご支援をお願いしたいですね。

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