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四字熟語で2017年の観光を占う(4) 地に足つけ質向上を

【複雑回顧】は井村さんの【雑】と山田さんの【顧】。2人とも客への対応が17年のカギで、不思議なことにならないよう警鐘を鳴らす。

本質は見えているか 今こそ原点に

井村さんは「大量の観光客が押し寄せ受け入れるだけで精一杯。次の仕組みもリピーターの創造にも取り組む時間も人もいない。サービスも丁寧を忘れ、いかに手をいれないでやるのかに走り、本来の構築する姿が見えてこない」と指摘。

山田さんも「インバウンド市場に関してはスピード感のある動きに見えているが、だからこそこれまでの総括をしっかりやった方が良いのではないか。インバウンドに反して伸び悩む国内市場と海外旅行、民泊や通訳案内士の問題・課題等々、これまでのプラス、マイナス面のすべてを【顧】みることが重要である」。

加えて「【顧】客、お客様から生涯に渡り地域に愛着を持ってもらうためにも、顧客満足度を獲得し、地域としてCLTV(顧客生涯価値)を得る努力が必要だ。そのためにも『顧=思い巡らす。顧慮=ある事をしっかり考えに入れて心をくばること』の字の通り、お客様の要望・欲求に応え続けられるように絶えず顧客や市場、環境に対して目を向け、細心の注意を払って対応しなければならない」とし「各地域それぞれの成果や結果の検証をしっかりやってから次に進みたい。要はPDCAサイクルを回しているかどうかでもある」。そして「17年は、これまで以上に地域単位で【顧】客至上主義を貫いてほしい」とメッセージを送る。

最後に【千却万来】は松坂さんの【却】から。「本当は依存の『依』にしようかと考えました。カジノ法案が未知数の経済効果(たぶん、ダメでしょう)ばかり強調されて、金が金を生む品のない議論ばかり。そっちの方こそ依存症。観光地は補助金依存、集客はインバウンド依存、ということで『依』だったのですが、逆に依存症からの脱却、頭を冷却しよう、ということで『却』を選んだ次第。ついでに、フロックみたいな爆買い需要もさっさと『忘却』いたしましょう」。

外的要因に過度な期待をせず、地に足のついた取り組みが千客万来につながるということだろう。

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