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四字熟語で2018年の観光を占う(2) 改等乱麻・難緩突破

「日本」と観光のバランス

【改等乱麻】は、松坂さんの「改」と小原さんの「等」、井村さんと永山さんの「乱」を組み合わせた。本来の快刀乱麻は、様々な課題をあざやかに解決する意味だが、この観字が意味するのはそうではない。

松坂さんの「改」は、平成の次の改元に伴う景気浮揚や商慣習の改革を指す。「2019年5月の天皇退位、即位で5月の10連休が待っている。今年はその前年だが、連休気分の前倒し現象が起きて、アウトバウンドが伸びそうな感じがある。インバウンドも堅調だと思うけど、そろそろ僕たちが海外に出かける気分にならないといけない」。

一方で商慣習については「旅行業自体の行き詰まりがまた格段に進みそう。パッケージ旅行自体はなくならないだろうが、安め系のブランドは一部を除いて不振だろう」とし、昨年のてるみくらぶ倒産の影響が尾を引くことを危惧する。

小原さんの「等」は、直面した問題として「障がい者や高齢者も平等に豊かな生活を営むことができる国づくりが必要」とする。同時に「大都市と地方が等しく恩恵が受けられるような政治と経済のシステムづくりも必要」と指摘する。

地域格差の拡大は「乱」を挙げた永山さんも「オリンピックシフトでカネモノヒトの需要が偏在化。雇用も集客も投資もままならない地域が急拡大する」とみる。

【難緩突破】は、橋爪さんの「難」と佐藤さんの「緩」で、観光の難関突破を期待した。

橋爪さんは「難」を選んだ理由の一つに、昨年の総選挙でうたわれた「国難」を挙げる。「欧米でテロが起こるたびに観光業も大きな影響を受ける。北朝鮮有事の可能性もあり、日本を目的地とする国際観光も必ずしも今後順風が吹き続けるかどうか判らない」。「半島の情勢次第」とは松坂さんも指摘した。

「緩」の佐藤さんも同様の見解で「朝鮮半島の緊迫度が高まれば欧米からの来訪に悪影響」が出て「頼みの綱であるインバウンドの伸びが緩やかとなる」とみる。

橋爪さんのもう一つの「難」は「インバウンドの増加で、住民と観光客との対立が顕在化する事例が見受けられるようになった」こと。「住民と観光客の相反する利益を調整しないといけない。観光に関する地域マネジメントの必要性と重要性が増している」という。

さらに、佐藤さんは日本人の国内旅行について「高齢化がさらに進み、供給側の仕掛けもあって緩やかな時間、空間の移り変わりを楽しむ滞在型旅行への道が開ける年になる」と期待。2人の観字から、暮らすように旅する滞在型旅行が難関を突破する推進力になりそうに思える。

(トラベルニュースat 18年1月1日号)

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