「旅の贈りもの」を受け取りに JR東海道・山陽・山陰本線
2006年10月に公開された映画「旅の贈りもの―0:00発―」。行き先のわからない列車に"ワケあり"の人たちが乗り込み、架空の駅「風町」へ到着する―。映画の中で「この旅が皆様にとって、何か大切なものを見つけられる旅になりますことを心よりお祈り申し上げます」という車掌のセリフ通り、鉄道の旅の魅力が凝縮されたような映画でした。
イゴマル、マイテと西日本一周鉄道旅行
JR東海道・山陽・山陰本線
スクリーンの記憶がまだ鮮明な06年11月11―12日、「旅の贈りもの」そのままのツアーを日本旅行が実施。映画に登場したEF58型電気機関車150号機(イゴマル)に一等展望車マイテ49―2などを加えた豪華な編成が山陽、山陰本線と、西日本を一周する贅沢な鉄道旅行。映画の登場人物のような"ワケ"はないのですが、迷わず参加しました。
午後11時56分、大阪駅3番ホーム。特別編成が入線してきました。昭和33年製のイゴマルと昭和13年製のマイテを撮影しようと、たくさんのご同輩がカメラを構えています。0時ちょうど。映画と同時刻に出発。車内は満席で、キャンセル待ちが出たほどの人気だとか。
列車は一路、山陽本線を西へ向かいます。電車では味わえない揺れ、音...客車は旅情をかき立てます。
翌朝、下関駅。車両センターで特別展示撮影会が開かれました。イゴマルには懐かしい寝台特急「あさかぜ」「さくら」「彗星」などのヘッドマークが小刻みに付け替えられ、我々参加者を喜ばせました。

旅の主役、イゴマルとマイテの特別編成
(許可を得て撮影、協力=JR西日本・日本旅行)
イゴマルとはここで別れ、山陰本線を上ります。進行方向が変わり、最後尾となったマイテ。かつて皇族や軍人らが利用した特別な車両の灯すテールランプが線路を赤く光らせます。映画のプロデューサー竹山昌利さんが登場し、風町駅こと山陰本線・飯浦駅に到着。サイン入りの鉄道模型などの販売がありました。
出雲市で一泊した翌朝、のんびりと山陰本線をさらに東へ。まもなく終焉を迎える餘部鉄橋を特別に徐行して渡ります。一般の列車では味わえないサービスは大盛況。また知る人ぞ知る、京都を通らない山陰連絡線の走行のオマケも付いて大阪駅3番ホームに定刻通り戻ってきました。
参加者の声も、「映画そのままの列車に乗れると聞いて。特別な列車に乗って旅をするのはいいですね」「切符が取れた日から、この日を待ち望んでいました。無理を承知で贅沢な注文ですが、SLが牽引して!」など皆さん満足気。
線路は続きます―。
旅は「鉄」道連れ 鉄ちゃん専属添乗員?
今回の旅でお世話になった日本旅行赤い風船西日本事業部(当時)の金船裕さんは、鉄道ファンの間ではちょっと知られた存在の名物添乗員。
「一番うるさい客は自分です」と胸を張って語る金船さん。今回の旅のみどころ、山陰本線の車窓から日本海を望めることができるのは片方だけ。すると、なんと途中で席替え! お客様全員に楽しんでもらうため「やれることはとことんやります」。
金船さんが企画、添乗した旅に何回か参加したという福岡県の匿名希望さんは「日本旅行の鉄道旅行は期待を裏切らない。参加記念品にも気を配ってくれている」と絶賛。
目標は鉄道ファン向けの旅行を定番化することだという金船さん。次の旅の贈りものを楽しみに待っていますね。
あらしん...鉄道をこよなく愛するヲタク。鉄ちゃん。一部私鉄を除き、全国の路線を乗車。鉄道好きが高じて車内販売員歴も。現在一人息子を立派にしよう?と鉄道のイベントに連れ出している。
(トラベルニュース06年11月25日号)
(07/11/27)
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