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初のバックカントリースキー 長野・駒ヶ岳千畳敷カール

一歩ずつ登るたびに汗が滴り落ちてくる。斜度はだんだんきつくなり、たぶん50度くらいだろうか。雪面を勢いよく蹴ってアイゼンをきかせる。背負っているスキーが重く感じられてきた。

4月28日、中央アルプス・駒ヶ岳の千畳敷カールを登った。生まれて初めてのバックカントリー・スキーを体験するためだ。リフトが架かり圧雪整備されたゲレンデスキーしかやったことがなかったけれど、中央アルプス観光大阪営業所の竹村章さんの誘いに二つ返事でOKしてしまった。

木曽谷から吹きつける風で尾根からせり出した雪庇が大きく見え出してすぐに、前を歩く竹村さんの肩越しから視界が開けていった。標高2820メートルの極楽平の稜線に出た。登り始めた駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅を雪原に見下ろし、駒ヶ根市の市街地を挟んで南アルプスの峰々が霞んで見えた。木曽側には御嶽山が白く輝いている。

駒ヶ岳・千畳敷カールを滑る
標高2820メートルの稜線から滑り出す

稜線の風はまだまだ冷たい。汗が急速に乾く。

「さ、行きましょうか」。竹村さんの滑る後を必死にトレースした。

斜度が緩んだ。汗だくになった45分間のご褒美は、わずか1分ちょい。振り返って、たった今滑り降りてきた雪面を見た。春の陽光をはね返してキラキラと光っている。目を細めてシュプール跡を探した。

竹村さんと目が合った。自然と笑みが広がった。笑いながら、もう一度アイゼンに履き替えるべきか真剣に悩んだ。

(富本一幸)

(08/06/24)

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