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"海の京都"のダイニング KTR新列車「くろまつ」に乗車

14/06/20

北近畿タンゴ鉄道(KTR)が5月25日にデビューさせた観光列車「丹後くろまつ号」の試乗会に行ってきた。「『海の京都』の走るダイニングルーム」を標ぼうする新列車の実力は―。

丹後の食と車窓風景を味わう

「くろまつ」の概要は本紙5月25日号(「"海の京都"丹後が近くなる(3) 丹後くろまつ号出発」)で紹介したが、今回は京都・福知山駅から天橋立駅へ向かう1号「スイーツコース」に乗車。黒光りする漆黒のボディーと、床から窓枠、テーブル、椅子まで木材にこだわった車内は落ち着いた和の雰囲気が漂い、1両編成ならではの特別な空間に演出されていた。

提供されたスイーツは、「KTR」と書いたチョコを乗せたオリジナルのフルーツタルト、丹波栗のモンブラン、アップルパイの3本立て。スイーツのまち福知山市の洋菓子店のもので質・量ともに十分な満足感だ。

丹後くろまつ号

沿線自慢のスイーツを味わう

これをさらに美味しくさせるのが車窓風景。山の緑、田園風景など地域のどかな風景を眺めながらのんびりと列車は進んでいく。途中、田んぼのあぜ道で手を振る幼稚園児たちの姿が。九州新幹線開業時に話題になったCMさながらの光景に少し胸が熱くなった。

車内ではアテンダントがおもてなし。フレンドリーな対応で、観光案内にも応えてくれる。大学を卒業して今年入社したばかりの狩野友里さんは「経験を積んでおもてなしをもっと勉強していきます」と初々しい。

丹後くろまつ号

車窓風景を眺めながら
女子会もいい

「くろまつ」は先行して昨年デビューした「あかまつ」「あおまつ」に続く「最上級の列車」(同社・上田清和社長)との位置づけで、KTRだけでなく地域活性化への貢献に期待がかかる。

上田社長は「地域密着の鉄道なので地元に愛されることが大前提ですが観光客にも利用いただき、地元の元気につなげたい。運行開始後はブラッシュアップしておもてなしの質を向上させていきます」。前日には地元住民を招いて試乗会を開催。概ね好評で、予約状況も好調だという。

この日の乗車前、福知山駅では「あおまつ」が先に発車。乗客は大半が観光客とおぼしき雰囲気で、ほぼ満席状態で出発して行った。「くろまつも合わせて、満席の頻度を上げられるよう全力を尽くします」と上田社長。にこやかな表情に強い意志を感じさせた。

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