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気骨の流儀

佐賀県・嬉野温泉の和多屋別荘を創業した後、佐賀県議会議長を26年間務めた小原嘉登次さんの半生を綴った「気骨の流儀―明治の男・小原嘉登次物語」。筆者は和多屋別荘の現社長で、観光業界では知らない人がいないぐらい著名な小原健史さん。小原さんが大学を卒業後、副社長として同館に入社し父・嘉登次さんのすぐそばで見聞きしてきたことを綴っているだけに、生々しく生き様が伝わってくる。

明治の男・小原嘉登次物語

小原さん自身、「明治生まれの尋常小学校しか卒業していない父が第二次世界大戦後、佐賀県政の振興や嬉野温泉の発展に貢献し、小原企業グループの形成をなし得た事実から、その精神構造や言動の記録として、現代の若者達の人生に少しでも参考になればと思い記載した」と語っている。

この本は小原さんが次世代の後継者に、先輩たち(自分も含めた)よりさらに輝く生き方をしてほしいというメッセージを嘉登次さんの生き方を通して伝えようとしている。

物語は、大阪に出て有田焼の販売で一旗挙げようとして失敗し、逃げるようにして渡ったフィリピン・ダバオ市で望郷の念にかられる嘉登次さんの姿から始まる。この地でも倒産を経験し、嬉野の地へ引き上げて一念発起。山の伐採と製材で再興を図り、地元の銀行の所長に騙されたりしながらも映画館の経営にも乗り出す。

やがて警察署長から頼まれて旅館の経営にも関わっていくことにもなるのだが、すべて嘉登次さんと人との関わりの中で新たな事業が生まれていく。

旅館経営に乗り出すところで物語は終わるのだが、ここからが我々観光業界で仕事をする者にとっては気になるところだ。すでに続編の出版が待ち遠しい。

定価は1千円。全国の書店、アマゾンなどネット書店で購入できる。

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