観光業界専門紙「トラベルニュースat」おすすめ国内魅力再発見の旅

「旅の力」で充電(1) 山口県・湯田温泉

11/04/27

日本にはこんなに素晴らしい魅力がある―。東日本大震災は日本全体に大きな傷を与えた。しかし、国一丸で復興に乗り出す活力が求められる今こそ、「旅」の出番だろう。自然や伝統といった各地固有の風土に触れ、改めて日本の良さを実感することは、日本を活気づけるパワーの充電につながるはずだ。今回紹介する山口県湯田温泉、岐阜県焼岳温泉、静岡県稲取温泉という湯の郷には日本固有の素朴な魅力が溢れている。今こそ"ニッポンの旅"の力を感じたい。

豊富な湯量と大内文化

山陽路の湯どころ・山口市の湯田温泉は、白狐が見つけたという伝説が残る美肌の湯。県庁所在地の真ん中に位置し温泉街の周囲はビル群という珍しい環境に伝統がうまく溶け込み、この地ならではの情緒を醸し出している。

湯田温泉は、開湯は約600年前だが、江戸時代、富士山の噴火による火山灰で埋もれるという被害から復活して昨年で300年を迎えた。1日2千トンという豊富な湧出量が特徴で、やわらかい湯が女性に好まれている。室町時代、守護大名・大内氏の山口開府で花開いた大内文化に彩られ、近代には詩人・中原中也が生まれ、俳人・種田山頭火も一時暮らした文人のまちという独自の文化も根付く。

湯田温泉の温泉文化に触れられるスポットが、高さ8メートルのやぐらが目を引く「温泉舎(ゆのや)」。昨年末にオープンした泉源見学施設で、地下500メートルから湯が湧き出る様子を眺められる。そのほか、高田公園など5カ所に設けられた足湯も湯の郷の風情を演出。毎週日曜に実施している観光ガイドを利用しての温泉街散策も楽しい。

国宝・五重塔を有する瑠璃光寺もほど近い。五重塔は室町中期建造で、軒の出が深くラインが際立つ檜皮葺きの屋根、円形唐様の須弥壇など、その美しさが大内文化の隆盛を今に伝える山口観光のシンボル的存在だ。

瑠璃光寺五重塔

大内文化の隆盛を伝える
国宝・瑠璃光寺五重塔

西の雅常盤は、10種の風呂と落ち着きの客室で癒しを提供。 "料理の鉄人"大田忠道さんプロデュースの会席料理のほか、大女将を中心とする従業員による「女将劇場」のステージなど個性的な魅力も旅に彩りを添えてくれる。

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「旅の力」で充電(2) 岐阜県・焼岳温泉に続く

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