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夏の湯原は癒し天国(2) 「湯けむりドック」と歴史探訪で健康に

11/06/24

湯原町旅館協同組合と湯原温泉病院がタイアップして行っているのが「湯けむりドック宿泊プラン」。温泉旅館に宿泊しながら人間ドックで健康チェックをしようというものだ。

温泉で健康チェック

検査は1週間前までに、同温泉旅館組合加盟宿泊施設に申し込みを済ませ、当日は13時までに病院の窓口へ。待ち時間もほとんどなく問診から各種血液検査、血圧、視力・聴力検査、心電図、胸部レントゲンの検査を受け、15時には医師から検診結果を聞く。

湯けむりドックでは、胸部レントゲンといっても通常のレントゲン胃検査は行わず、ペプシノーゲン法という血液検査を取り入れ、バリウムや下剤を飲まずに胃ガンの初期兆候を発見する。

普通の人間ドックの場合、前夜から制限される食事も、当日の9時までなら大丈夫という気軽さだ。結果が出るまでの待ち時間は、湯原温泉の温泉指南役による効果的な入浴方法や健康についての説明を受ける。検査結果の説明後は、同温泉で宿泊ということになる。

料金は1泊2食の宿泊料金と受診料がセットで2万9千円から。月―金曜日の毎日10人限定。

同病院は2005年に真庭市が43億円をかけてリニューアルし、最新の医療機器を備えている。

社地区で1千年前の歴史を探訪 湯原は癒しの湯

湯原温泉からすぐ近くにある社地区は平安時代中期の法典「延喜式」の神名帖に美作国内十一社のうち八社が同地区に集中して存在し、式内八社と呼ばれて現在に至っている。

同地区は奈良時代、たたら製鉄が盛んだったところで、史跡や製鉄後の屑を積んだ小山などが残る。たたらには多くの人手が必要で、常時300人から1千人が集団で作業を行っていたとされる。労働が過酷であったため、その療養として温泉利用が行われ、湯原温泉はそういった人たちの癒しの場になっていたといわれる。

時の権力者・和気人麻呂の祖先が同地の出身地で、人麻呂は鉄の力で中央政権まで上り詰め、そのたたらの管理を行うため式内八社を建てたという。たたら製鉄の時代模様は映画「もののけ姫」に詳しい。

当時の神社は現在の神社とは違い、たたら製鉄で生産された玉鋼を都に送り出す交通機関の手配や人足、馬、牛、米などの管理を行い、八社は役所的な重要な役割を果たした。現在も佐波良神社や形部神社、大御堂や山里の集落や山の風景などから当時の姿を思い描くことができる。

湯原温泉ではエコツアーなどで同地区の案内を行っているほか、「やしろ漫歩」として2―3時間の健康ウォーキングの利用を呼びかけている。

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