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地熱発電開発に反対 日本秘湯を守る会、全会員が温泉協加入

日本秘湯を守る会(佐藤好億会長=福島県二岐温泉・大丸あすなろ荘)は先ごろ開いた総会で、全193会員が日本温泉協会に加入すること決めた。

佐藤会長は「国がCO2削減目標を設定するなか、自然エネルギー開発として地熱発電開発を進めようとする流れに危機感を持っています。既存の温泉への影響が懸念される地熱開発を拡大すれば将来に禍根を残します。旅行者を巻き込みながら国に対してものを言っていく」とし、日本温泉協会に全会員加入することで協会を通じ地熱発電反対の発言を強めていく考えを示した。

総会は昨年12月21日、静岡県熱海温泉の大観荘で開かれ、126軒から152人が出席した。

佐藤会長は「地域に生きる旅館として地域振興のため、地球温暖化阻止のためという理由で来られると地熱開発に反対しづらい部分はあります。しかし、これまで裏山の自然を守ることで温泉を守ってきたのがこの会です。温泉の排水を活用した発電には反対しませんが、温泉源に手を付けるのは困る」と話し、地熱開発についての情報収集と対応に協力を求めた。

同会は山の小規模旅館33軒が集まり1975年に発足。83年に会員による共同宣伝、相互送客を目的に始めたスタンプ帳制度が人気で、スタンプ帳利用者と会員数が拡大を続けている。スタンプ帳制度は、旅行者が3年の間に会員旅館に10泊すると1泊を無料招待するもので、1泊ごとに各旅館のスタンプを押印していく。10年は無料招待者が前年より162人多い1万5921人に及んだ。現在は約30万人が有効スタンプ帳を持ち旅行を楽しんでいる。

また、前年度はウェブ予約を本格稼働させ、9月には英語版サイトもオープン。海外に向けては「HITOU」のアピールに力を入れている。

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