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JR西日本が2016年春、京都・梅小路に新鉄道博物館 体験型展示に特色

12/12/28

JR西日本は2016年春、京都市下京区の梅小路エリアに新たな鉄道博物館をオープンさせる。同エリアには現在、蒸気機関車の動態保存を行っている梅小路蒸気機関車館があり、その西側に建設、一体化した運営を行う。

新鉄道博物館は事業費約70億円、延床面積約1万8800平方メートル、収納両数約50両の予定で、日本最大の鉄道博物館となり、年間80万人の来場を見込む。鉄道ファンのためだけではなく、地域発展のため、同社社員の教育のためにも活用される施設となる。

新鉄道博物館

「本館」エントランス
(イメージ)

現在発表されている展示車両は、「本館」と呼ばれる施設には、子どもたちに人気の新幹線500系、昼は座席車、夜は寝台車と昼夜問わず、さらに電化区間なら交直流を問わず活躍した電車583系、主に特急「白山」や近年では夜行急行「能登」で金沢―上野間を結んでいたボンネット型特急電車489系のそれぞれの先頭車が並ぶ。奥には、貨物列車からブルートレインまで、さまざまな列車の先頭にたち東海道・山陽本線で活躍、今なお現役機が数両残る電気機関車EF66形0番台も見える。

また「プロムナード」と呼ばれる施設には、日本最大の蒸気機関車C62形、大阪市港区の交通科学博物館から移設される3枚窓の初代湘南電車80系、初代新幹線0系が編成単位で展示されるのは他の博物館にない魅力だ。さらに注目されるのは「トップナンバー」と呼ばれる製造ロットが最初の車両、同館では19両もラインナップされている。

新鉄道博物館

「プロムナード」には往年の名列車が
(イメージ)

営業路線に隣接していることから営業列車についても臨時に展示できるスペースも設置。車両工場の一般公開など特別な日にしか見ることができなかった車両の屋上や床下など、非日常的な姿を見ることができる。他の博物館にはない展示方法だ。

乗務員になりきり体験ができる「運転シミュレーター」は、架空の路線を設定した乗務員訓練用のものを使用。新幹線用と在来線用を設ける。また子どもには子供用の制服を貸出する。

鉄道模型HOゲージ(線路幅16ミリ、実車の80分の1の大きさ)のレイアウトも設置する。自動運転は行わず、マニュアル運転を実施。特に子どもが多い時は新幹線主体の運転を行うなど、その時の観客層にも合わせる。

現在の梅小路蒸気機関車館の動態展示方法も継承し、実際に蒸気機関車が客車をひいて構内を走る人気の「SLスチーム号」も活躍する。

これらは「みる、触る、体験する」を重視した展示構成から、展示車両において「座らないで、触らないで」などの制限を極力設けず、参加型の体験を重視した他にない魅力を創出する。今後、展示予定車両の動向や展示内容の詳細は決まり次第発表される予定だ。

「JR西日本管内を走った車両や国宝級の車両も含めて様々な形で展示を予定しています。車両によっては、塗装をどの時代に合わせるのか、まだ思案中のものもたくさんあります。地域発展のため、関西が元気になるように、皆さんが楽しんでいただけるものにします」と同社広報部。

梅小路エリアには3月に京都水族館がオープンし、現在の梅小路蒸気機関車館の環境も変化。入館者数も対前年5割増の大盛況となった。SLの汽笛を聞いて急きょ同館に訪れる観光客もいる。数年前から話題のあった同エリアの「鉄道博物館」構想がようやく実現に向けて動き出した。

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