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年末年始は「微高・遠・長」 JTB、楽天トラベルが旅行動向予測

12/12/07

この年末年始の旅行は「微高・遠・長」―。JTB、楽天トラベルがこのほど発表した年末年始の旅行動向は、9連休も可能な曜日配列から、国内、海外とも遠距離方面への旅行や滞在日数が増えそうな傾向にあることがわかった。旅行平均費用も前年より若干アップする見通しで、総旅行人数も増加しそうだ。

JTBは、2012年12月23日―13年1月3日の12日間に1泊以上の旅行に出かける人の動向を予測した。総旅行人数は前年比1.3%増の3002万8千人で、6年ぶりの3千万人台に達する見込みであることがわかった。

このうち国内旅行人数は同1.3%増の2937万1千人、海外旅行人数は同0.3%増の65万7千人。特に海外旅行は、1996-97年の68万4千人に次ぐ過去2番目の高水準を記録する勢い。平均旅行費用は、国内が同0.4%増の3万800円、海外も同2.6%増の20万7千円に上昇し、総旅行消費額は1兆406億円で6年ぶりに前年比でプラスに転じた。

国内旅行では、長い休みを利用して沖縄や九州、北海道など人気を集める一方、今年開業した東京スカイツリーや東京駅に引っ張られ都心のホテル宿泊が好調な見通しだ。13年に式年遷宮を迎える伊勢神宮の参拝者も増える見込みで、三重県の鳥羽や賢島、長島地区の温泉施設の予約が前年を大きく上回っている。大河ドラマ「八重の桜」の舞台、福島県会津地方の東山温泉や土湯、磐梯熱海の予約も堅調だ。国内線LCCを利用した帰省などの動きも顕在化している。

海外旅行は、日並びの良さや円高基調を背景に、ヨーロッパやアメリカ本土など長距離方面が前年に比べ1割以上伸びる見通しだ。イタリアやスペインの1カ国周遊コースやスカンジナビアのオーロラ鑑賞ツアーが売れ筋になっている。タイやバリ島など東南アジア、ハワイも人気を集めている。その一方で、中国は前年度比25.3%減と落ち込み、韓国や香港も減少する見込み。

全般的な旅行スタイルでは、子連れや夫婦のみの旅行が減り、三世代や友人知人と同行するのが増えそうだとしている。JTBの調査は、全国の15歳―79歳の男女1200人へ個別にアンケートしたほか、JTBグループの販売状況などをまとめて推計した。

一方、楽天トラベルは12月22日―1月6日の予約状況から年末年始旅行動向をまとめた。

国内旅行は、国内宿泊とダイナミックパッケージの合計が前年比で25.7%増加する。エリア別では、東北観光博など観光振興策が奏功し、会津東山や磐梯山など温泉地が人気の福島県が同73.0%増、宮城県が同43.8%増と客足の回復が見られる。広島県は、大河ドラマや宮島水族館リニューアルの効果で宮島を訪れる観光客が目立ち、同60.6%増と好調。増加率では富山県も同53.0%増であるほか、北海道37.5%増、新潟県31.8%増、群馬県52.5%増などスキー場周辺の予約状況も良く、楽天トラベルでは「スキーブームの再来」が伺えるとしている。

海外旅行は、全体で同19.9%増えている。タイやシンガポールなどアジア圏が好調な反面、情勢が不安定な中国や韓国は減少傾向になっている。アメリカは、トレンドに敏感な20-30代の女性で前年比3倍増と急伸している。

また、2月22日と1月4日の宿泊数が前年より2.5倍増え、長期間にわたって旅行する人が多いことが分かった。女性の予約伸び率が男性を大きく上回っており、女性の早期予約志向も顕著だ。調査は、楽天トラベルの予約状況のほか、同社が発行するメルマガを購読している約2100人の会員アンケートを基にまとめた。

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