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由布院旅館からスタッフ受入 谷川温泉・別邸仙寿庵、雇用面で被災支援/群馬

16/07/05

熊本地震で苦しむ旅館を支援しようと群馬県みなかみ町・谷川温泉の別邸仙寿庵が6月20日から20日間の予定で、大分県由布院温泉の旅館従業員2人をスタッフとして受け入れている。

「うちも新潟県中越地震や中越沖地震のときにはお客様がいなくなり、苦労しました。なかでも雇用をいかに継続するかに悩んだ経験がありました」

同館常務の久保秀弘さんは、従業員の一時雇用を思いついた理由をそう話す。

これまでは「なにか支援を」と、各地の震災のときに、義援金や物資を送るなどの活動はしてきたが、どこに届いているのか分からないなど歯がゆい思いがあったという。

久保さんは、熊本地震が起きた4月から、九州の知人に半年程度の一時雇用受入について相談。「大変なのは熊本だけじゃないよ」と、知人が交流のあった大分県由布院の旅館組合に打診したところ、旅館従業員2人を受け入れることが決まった。

「夏休みは回復の兆しもあるということで、受け入れ期間は短くなり、お給料もこちらで支払うことを申し入れたんですが、先方の旅館から丁重に辞退されてしまいました」

由布院の旅館からの2人は、同館の寮に滞在しスタッフとして働いている。受入がうまくいけば、久保さんは地元の旅館組合にも支援活動の1つとして提案していく考えだ。

「結局、困ったときは助け合いだと思うんです」

日本中、いつどこで起こるか分からない震災。震災時に被災者が安心・安全に過ごせる避難所として、また、復興作業員の滞在拠点としても欠かすことができない旅館ホテル。従業員の雇用継続でも、共助による支援の仕組みはできそうだ。

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