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神戸に訪日客呼び込め 神戸運輸監理部・同志社大観光講義成果発表

国土交通省神戸運輸監理部は7月14日、神戸市内で、同志社大学(京都市)で開いている観光政策に関する講義の成果として「みなと神戸への外国人観光客誘致策発表会」を開いた。学生たちが、講義や現地調査をもとにまとめた施策を、参加した神戸の観光関係者らに提案した。

学生の視点で観光施策を提案

講義は、観光政策に携わる人材育成を目的に今春開講。同監理部の職員が講義を行い、学生は神戸港周辺地域の訪日客増加に向けた施策の企画立案を通して、観光政策を学ぶというもの。

施策は受講生15人が3班に分かれ、班ごとに設けたテーマに沿って検討してきた。6月2日には現地調査として、神戸国際観光コンベンション協会や観光クルーズ船、ホテルで現状や課題を聞き取るなど神戸のインバウンド事情を調べた。その結果や、観光都市として成功を収めている京都の事例を精査し提案内容をまとめた。

A班は「観光交通の活性化と国際交流都市の復活」がテーマ。交通面では、市内ループバスの停留所名に観光素材の名前をつけることや、酒蔵で訪日外客に人気の灘と神戸港を定期船で結ぶことなどを提言した。交流面では、神戸港周辺に大学コンソーシアムを設け、学生や企業、外国人などの交流拠点とすることで訪日客増加の基盤を固める案を披露した。

B班は、訪日外客にとって魅力ある観光地にするための方策「みなとの資源を活用した魅力づくり」を提言。港湾に世界の食や音楽などが集まる「ワールド・ビレッジ」の創造、屋台船や宿泊クルーズ船の運航など港という特色を生かした「船でにぎわうみなと神戸」を提案した。

「情報発信」についてまとめたC班は、京都と神戸の情報発信力、海外での知名度を分析。京都は官民が協力して情報発信に取り組んでいることを引き合いに、神戸観光のウェブサイトの強化や、観光案内所の拡充などを提案し「官民の協力、地域の意識を変えることで状況は激変するはずです」と訴えた。

発表後、受講生はこれらの提案を提言書として、同監理部の関元貫至部長に手渡した。関元部長は「学生の視点は斬新で参考になる。単なる学習に終わらせないようにしたい」と返した。

講義を担当した同監理部総務企画部の塚本量敏企画課長は「講義というよりゼミのような感じで皆協力して頑張った。しっかりした提言を出してくれたので、我々は今後、提言を生かす議論の場を調整していきたい」と話した。

受講した直川麻子さんと織田肇子さんは「社会の方々と共同で地域を考えるいい機会でした。官民それぞれの考えが学べ、勉強になりました」と笑顔で話していた。

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