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インバウンド人材養成を 神戸山手大学・観光立国フォーラム

神戸市中央区の神戸山手大学でこのほど、「観光立国フォーラムin神戸」が開かれた。産官学から約120人が参加し、インバウンド観光の発展に向けた観光キャリア教育を考えた。

フォーラムは神戸山手大学と神戸夙川学院大学、ジャパンインバウンドソリューションズの共催。4月から神戸山手大学に現代社会学部観光文化学科が開設されるのを記念して開いた。

新学科は、神戸夙川学院が今年度で幕を下ろすのに伴い、同大学の在校生と一部の教職員を神戸山手が受け入れることで開設。神戸夙川学院の観光教育に関する資産をすべて継承し、今後も日本はもちろん異文化の理解を重視した「観光文化」を学科名に据え、観光人材の育成に取り組んでいく。今回のフォーラムでは、これまで取り組んできた事業であり、新学科の軸となる「インバウンド観光人材育成」をメーンに展開した。

神戸夙川学院が文部科学省の委嘱事業として進めてきた「地域産業活性化のためのインバウンド観光人材育成」は、同大学の小野田金司副学長が代表理事を務める一般社団法人日本インバウンド協会が核となって産官学連携で教材製作を推進。インバウンド観光指導者養成用の手引きを完成させ、来年度から本格的に指導者養成事業をスタートさせる。

この日は手引き作成に携わった同協会の理事・発起人の3氏が解説。ジャパンインバウンドソリューションズ社長の中村好明さんは、総合ディスカウントストア「ドン・キホーテ」の訪日客市場開拓に携わった経験から、手引きの理念を紹介した。

中村さんは、現在訪日客数を成果として挙げることが多いが、それより消費額を重視すべきと指摘。昨年の訪日客総額が前年より6千億円増加したことを挙げながら「ジョッピングは最大の観光産業になり、今後も伸びます。客単価を伸ばし、消費総額を上げる、GDP成長を意識してください」と話した。中村さんはこの日、慶應義塾大学教授の伊藤健二さんと地方創生についての対談も行った。

一般社団法人生涯学習認定機構代表理事の前田出さんは指導者育成手法について説明。小野田副学長は「正しい知識を持ったインバウンド人材が必要とされており、指導者を早急に養成していかないといけません」と話し、大学だけでは追いつかないと生涯教育の観点からも利用を勧めた。

次に、やまとごころ社長の村山慶輔さんが、インバウンド集客コンサルタントの視点で「今求められるインバウンド人材」について話した。「日々我々が利用するサービス、イベントも訪日客に提供できるものが多いのでは。あらゆる産業に可能性があり、幅広く人材が必要になっています」と指摘し、求められる人材として「最前線でおもてなしする人材」「インバウンドビジネスをまわす・つくる人材」を挙げた。

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