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富裕層市場ねらう 1泊10万円の新旅館(2)

「わくわくすることが始まる。地域に複数の輝く存在があることが、地域の活力になると確信しています」。内覧会で、福田社長が真っ先に触れたのは、新施設が伊香保温泉の魅力アップにつながるということだった。続けて「新施設で価格アップの一翼を担いたい」とも。

宿泊単価アップの一翼担う 伊香保温泉・福一

福田さんは、伊香保温泉旅館協同組合の理事長を務め、また、JTB旅ホ連では副会長として地域の魅力づくり事業と、宿泊単価アップの旗振り役でもある。新施設のオープンは業界内の課題に対する挑戦でもあるようだ。

諧暢楼の客室は50平方メートルと100平方メートルの8室で、定員は22人。純和風5室と、フローリングの主室と畳にベッドの寝室で構成する和モダンなつくりの3室で、寝具には高品質羽毛として知られるアイダーダウンを採用している。いずれの客室にも露天風呂か半露天風呂がある。

本体の福一とは玄関、ロビー、食事処を完全に分離しただけではなく、従業員も開発マネージャー1人を除き外部から採用することで、これまでにない質の提供と、別ブランド化を明確にしている。

館内のデザインや照明、客室内の備品の選択は、すべてグラフィックデザイナーの左合ひとみさんが担当した。和紙や江戸唐紙を客室の意匠として取り入れるなど、統一感と滞在しても飽きのこない施設づくりに気を配ったという。

料理にも新機軸を打ち出した。夕食は、コース料理に高級ワイン、シャトーディケムなど8種類のお酒をあらかじめセットしたディナーを提供する。お酒のチョイスなどは、スタッフのソムリエが担当する。

食事処は、1人客やカップルの利用を想定したカウンター席と個室で構成。個室には防音措置を施し、独立したオーディオで、それぞれ好きな音楽を楽しめるプライベートな環境を整えた。料理長が前面に出て、直接、客をもてなすスタイルも徹底する。

総投資額は6億円。年間3000人の利用を見込んでいる。当面、集客は福一の顧客への案内や口コミ、インターネットを重視する。旅行会社については支店を絞った対応になる。

すでに、今年の年末に7―10日連泊したいという申し込みもあり、福田さんは「驚いています。きちんと付加価値を提供し、利用者の期待に応えたい」と話していた。

(トラベルニュースat 08年2月10日号)

富裕層市場ねらう 1泊10万円の新旅館(3)に続く

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