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業界浮上のカギ見出す じゃらん宿泊旅行調査から(2)

旅行実施率の上昇に反して、延べ宿泊旅行者泊数は減、そして延べ宿泊旅行者数も同2・2%減の1億4686万人と減少。上半期の旅行手控えが影響し年間平均旅行回数も2・64回と前年を下回った。延べ宿泊旅行者数、延べ宿泊数は調査開始以来最低。旅行費用総額は4万6600円で前年並み。総額を変えずに交通費を減らして近場で豪華にという傾向にシフトしているようだ。

若者の旅行実施率上昇が顕著 動機は"心意気"か

この1年の最大の関心事は、やはり大震災が旅行市場に与えた影響だ。震災後の回復状況を見てみると、延べ宿泊者数は9月までは前年を下回ったものの10月以降は前年越え。意外と立ち直りは早く、3月にいたっては過去5年で最高となる1145万人を記録した。

同センター研究員の横山幸代さんは、8月24日に大阪市内で開いた観光振興セミナーで、この原因を「震災直後に復興プランが全国に。そしてGWを境に消費促進策がとられるなど、国をはじめ各機関がPRを怠らなかった結果」と分析した。

旅行者を年代別に見ると面白い傾向が浮かび上がった。延べ宿泊者数は全体では相変わらず50歳以上のシニア層が多いが、震災直後は20―34歳の若年層が5月には前年を超えるなど若い人ほど回復が早く、シニアは秋まで手控えた傾向に。「じゃらんネットでは5月として過去最高を記録。取りやめが多かった団体旅行と個人手配との差が若者とシニアの差になった」(横山さん)。

さらに1年間の旅行実施率では、20―34歳が同3・4%増の60・5%と最大の伸び率。同0・2%減の58・1%だった50―79歳とその差は歴然で、年代別でもトップに躍り出た。課題だった若者の旅行参加が震災後に上昇したことについて、横山さんは私見と前置きしたうえで「今の若者は社会的意義など"心意気"で動く傾向があるようです。『日本のため』『日本のいいところを見よう』という心理が働いたのでは」と話す。

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