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復調の13年「観光番付」(2) 富士山、遷宮で国内"倍返し"

東西の横綱「富士山」「遷宮」。日本人の精神的ふるさとを想起させる双璧が並び、国民の今でしょ感を煽った。

"今でしょ"感に観光客殺到

富士山は登山者が殺到すると思われたが、夏シーズンは30万人台前半でほぼ例年並みだった。それでも連日、八合目辺りから山頂まで渋滞が起きた。関西発で0泊の弾丸登山ツアーも話題に。山麓を含めた遺産登録で周辺の宿、観光地も賑わった。この年末年始は冠雪する富士山の眺望が美しい河口湖などの宿泊予約状況が絶好調だ。

島根県の出雲大社は、5月の遷宮直後から賑わい、11月の神事「神迎祭」でピークに達した。大社周辺は大渋滞、神前の神門通りも「正月以上の人出」(地元関係者)でごった返した。玉造温泉や松江しんじ湖温泉をはじめ松江市内のビジネスホテル、鳥取県の皆生温泉なども満室続きで、やり繰りがたいへんだったという。首都圏から来訪する女性客が目立ったのも特徴的で、総じて募集型より個人旅行の伸びが著しかった。

出雲大社

出雲大社は混雑続きで嬉しい悲鳴。
とにかく女性の姿が目立つ

三重県の伊勢神宮もしかり。遷御の儀が繰り返しテレビ放映されるなど20年前以上に広報力が高かった。近鉄が満を持して投入した新型特急「しまかぜ」は売り出し即完売の状態が続いている。地元では早くも年間参拝者1千万人突破を確実視。「出雲ガール」「伊勢女」は観光界の新語大賞だろう。

東の大関は「東京五輪」。お・も・て・な・しフレーズも流行し「国内観光の未来に明るい見通し」(稲荷山さん)がついた。観光業界も歓迎のメッセージが相次ぎ、五輪効果を各地に波及させるべく7年間が勝負!と意欲満々だ。

西の大関は「訪日外国人観光客1千万人へ」。日本政府観光局によると10月までに866万人が来日。今年は毎月のように過去最高を更新し悲願の1千万人台まで、あと2カ月で134万人。円安を追い風にビザが免除され好調な東南アジア、台湾、欧米が伸び、中国人観光客も回復傾向にある。観光庁の久保成人長官らは「まだまだ予断を許さない」と慎重な姿勢を崩さなかったが、12月20日にも達成されそうだ。

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