観光事業を目的化 全旅連、規約に「観光立国推進」盛り込む(1) 地方活性化の担い手として“決断”
全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会(全旅連、多田計介会長=湯けむりの宿美湾荘)は6月5日、熊本市の熊本ホテルキャッスルで開いた2018年度通常総会で「観光立国の推進」を規約に盛り込むことを決めた。全旅連は厚生労働大臣の認可団体で、これまでは生活衛生面の振興を主要事業としていた。全旅連に加盟する旅館経営者は「観光は地域活性化に必要な経済活動であり、地方に組合員が多い全旅連が観光を事業化する意義は小さくない」と話す。
第1条に追記 生活衛生面から観光まで幅広く
全旅連が18年度通常総会で決めた規約の改正は、組織の目的を記した第1条に「『観光立国の実現推進』に寄与する」を追記。事業の第5条にも「観光立国推進に関する観光関係団体との連絡調整」という文言を新たに加えた。
第1条にはこれまで、衛生施設の改善向上、経営の健全化、振興など生活衛生に限られた取り組みを記していた。今回の改正で、組織として観光事業にも深く関わっていくことを決めたことになる。
規約改正の背景には、訪日外国人観光客が年間3千万人に迫る中、大都市圏に偏重、地方創生を主要政策に掲げる国にとってもインバウンドの地方流入を増やしたい思惑がある。地方旅館は地域経済をけん引する役割を担っているケースが少なくないことから、組合員の多くが地方に所在する全旅連が「観光」事業を目的化するのは必然とも言える。
(トラベルニュースat 18年6月10日号)
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