観光物産で賑わい創出 大阪シティ信用金庫が縁結び(1) 各県事務所と商店街の連携を実現
「地域に根差した金融機関として地域を盛り上げなければならない。地域の顔になっている商店街に賑わいをつくり、継続的に支援できる方法を考えなさい」―。2010年、大阪シティ信用金庫企業支援部の森本孝さんは当時の理事長から、そう命じられた。證券関係が専門だった森本さんにとっては「ド素人の世界」。カリスマ商店主らに教えを乞い、たどり着いたのが大阪市に34ある道県事務所と商店街のマッチング事業。そこに地域の子どもたちも加わって、観光物産PRと商店街の賑わい創出を実現させたのだった―。
商店街に賑わいの声
昨年暮れ、大阪市東住吉区の駒川商店街に「いらっしゃいませ~」と子どもたちの声が響いた。「こまがわこどもマルシェ」と題して地元の4小学校の児童が福井県や群馬県の産物を競い合うように売っていた。
販売している各県の物産は、作戦会議を開いて子どもたちが県大阪事務所に掛け合い仕入れたもの。ポップも子どもたちのお手製だ。子どもたちの様子が気になるから父母、祖父母、近所の人たちも立ち寄る。人だかりができているから通りすがりの人たちものぞきに来る。この日、商店街は確かに賑わっていた。

商店街で地域の特産品を売る子どもたち。
仕入れた商品はすべて買い取りで、
商品の陳列やポップ、値づけも
子どもたちが作戦会議でアイデアを出しあう
子どもたちが大人相手に物産を売る様子を出展した県大阪事務所のスタッフとともに優しげに見ていたのが、大阪シティ信用金庫の森本さんだ。
2023年度に森本さんが関わった商店街活性化のイベントは、大阪府下の285商店街、283件にものぼる。延べ日数では327日だ。そのほとんどを関わるが、ここに至るまで紆余曲折があった。
14年前に理事長の命で動き始めた森本さん。当時の上司らと教えを乞いに赴いたのが日本一長い商店街として知られる天神橋筋商店街の活性化に取り組み、観光カリスマにも選ばれていた土居年樹さん(故人)だった。
(トラベルニュースat 2024年4月10日号)
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