ドラマも旅行も人次第
NHK連続テレビ小説「舞い上がれ!」。10月のスタートから、空とパイロットに憧れ、空を飛ぶ夢へと向かって奮闘するヒロインや周辺の人たちの温かいふれあいに和んだり涙ぐんだりして、毎朝楽しみに視聴している。
ところが「航空学校編」になってから、これまでの雰囲気が一変。視聴者の口コミで史上最悪の朝ドラと評された前作の「ちむどんどん」に似たドタバタ劇になってきた。
どうしたものかと調べてみると、航空学校編からシナリオ作家が別の人間になっていた。空を飛ぶための浮力を生み出す“向かい風”を謙虚に受け止め、一視聴者として舞い上がることを見守り続けたかったヒロインが、まったく違ったタイプのキャラになってしまった。別のドラマを見ているような激変ぶりだ。
前作のネットでの書き込みは凄まじかったが、このままいくと同じような末路になりかねない。同じドラマなのに書き手次第でヒロインの人格まで変わってしまうことを思うと、改めてドラマはシナリオ次第だと痛感する。
我々の業界も一緒だ。旅先で、ツアーで、宿泊先で、旅行客をどう楽しませるか、それとも憤らせるか―。人が旅行に動き出した今こそ、旅行客が心地よく舞い、共感を生むシナリオづくりを肝に銘じたい。
(トラベルニュースat 22年11月25日号)
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