農商工連携で観光まちづくり 信州千曲市観光局が発足/長野
長野県千曲市の信州千曲市観光局はこのほど、東京の銀座NAGANOにメディア関係者を招き、特産品を使った料理や酒をふるまいながら、食と観光をアピールした。
今年4月、日本版DMOを目指す信州千曲観光局が、千曲市観光協会を改組する形で発足した。鹿田敦己事務局長が組織改編について「農商工が連携して観光地域づくりに取り組む組織です。地域内の消費額を増やしてもらうことを目的にした情報発信や着地型旅行プランの開発をしていきます」と趣旨を説明した。
戸倉上山田温泉旅館組合連合会の若林正樹会長(上山田ホテル)も「これまでは旅館や観光施設など事業者が中心でしたが、この組織には、この地が好きで移住してきた人や、この地に魅力を感じていただいている人やグループにも参加してもらいます」と話し、参加者の幅や奥行きを深めることで、地域の魅力発信に新たな視点を加えることに意欲を示した。
一例として今回の説明会では、古から讃えられ、憧れの対象だった当地、更科(さらしな)の魅力を、京都御所の襖絵からひもといてみせた。京都御所の清涼殿には、全国の名所が襖絵に描かれ、現在の長野県からも唯一、冠着山(姨捨山)と更科の里が描かれている。若林会長は「こうした歴史を知り、地域への誇りに持って情報を発信していきたい」と話した。
千曲市は日本一の杏の里とも呼ばれ、4月には「ひと目10万本」と言われる密集した杏の木の花見が楽しめる。7月初旬の1週間ほどは杏狩りができる。果物狩りとして杏狩りができるのは日本では千曲市だけだそうで、杏の加工品も30種類以上に及ぶ。
宿泊拠点となるのは、旅館数20数軒、飲食店は180軒を数える戸倉上山田温泉。温泉街や周辺の里山を舞台にガイド付きのサイクリングや街歩きツアーも始まっている。
日本三大車窓とされるJR姨捨駅へは7―9月の毎日、戸倉上山田温泉から姨捨夜景バスツアーが運行されている。JR東日本の豪華寝台列車「TRAIN SUITE四季島」の停車駅でもあり、姨捨の棚田越しに望む善光寺平が絶景だ。
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