災害時対応に決意新た 山形県旅館組合、60周年記念式典とシンポ開く
山形県旅館ホテル生活衛生同業組合(佐藤信幸理事長=かみのやま温泉・日本の宿古窯)は3月25日、日本の宿古窯で創立60周年記念式典とシンポジウム、祝賀会を開いた。吉村美栄子・山形県知事や全旅連(全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会)の多田計介会長ら来賓を含め、237人が出席した。
佐藤理事長は組合60年の歴史を振り返るなかで、2011年の東日本大震災時の同組合と全旅連の対応に言及。山形県で延べ12万人泊、全国では540万人泊の被災者を受け入れたことを紹介しながら「震災時に旅館ホテル組合でできることがたくさんあります。式典第2部で行う災害時対応をテーマにしたシンポジウムで、なにができるかを学びましょう」と呼びかけた。
また、直近の組合活動としては、民泊について「これまで旅館ホテルは法を順守し、地域の治安維持に寄与してきた自負があります。民泊を舞台にしたゴミや騒音問題、重大事件の発生など、住民を守れるのか危惧しています。県にはしっかりと考えを伝えています」と話した。

あいさつする佐藤理事長
来賓からは吉村知事が東日本大震災時の組合の対応について「佐藤理事長は全国組織の会長として、先頭に立ち被災者の受け入れにあたり、すばらしい働きをしてくれました」と話し、迅速な行動と精力的な被災者支援を讃えた。
式典に続き「旅館ホテル組合の災害時対応」をテーマに開いたシンポジウムでは、海に面した高台に立地する自館が津波で被災しながら、避難場所として多くの住民を受け入れた南三陸ホテル観洋女将の阿部憲子さんら5人が講演した。
阿部さんは「震災時には、食や住を提供できるアドバンテージのある宿泊業の地域の中での役割を実感しました」などと話し、震災直後の住民の受け入れから、復興期を通じて子どもの教育の場を提供していることを紹介。「千年に1度の災害は千年に1度の学びの場です。百聞は一見にしかず。広く東北にお出かけください」と訴えた。
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