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ワーケーション最前線 HafH(ハフ)が提案するリゾート滞在の新たな価値③

20/12/28

ホテル利用の多様性に新たなページを

今回の取材を通じてワーケーションとは多様な価値観を受容することにより、働く人たちのウェルビーイングと企業のオープンイノベーションを促し、地域を活性化させる息の長い社会活動になるのではと思い至った。

コロナが一段落すればインバウンドも日本に戻って来るだろう。しかし、欧米からアジアを拠点に働くノマドワーカーの多くは日本には興味があるものの「物価が高くて騒がしくゆったりできない」というイメージを持ち、敬遠している。日本の地方が持つ文化、自然と人々のホスピタリティは非常に魅力的なコリビングを提供できる素地があるにも関わらずだ。

今回、取材したホテルと出会った人々からは新しいワーケーションに関する示唆を感じたので紹介しておこう。

<ESTINATE HOTEL沖縄那覇>ESTINATE HOTEL | エスティネートホテル

ホテルやワークプレイス、飲食、ソーシャルアパートメントなどライフスタイル事業を手掛けるグローバルエージェンツが2015年に開業した「ライフスタイルホテル」。泊ふ頭の「とまりん」に近く、目的地を意味するDestinationから「D」を外しさらに動詞化することにより「不完全さ」と「次への期待」を意味するこだわりのネーミング。

Estinateのエントランスから自慢のラウンジを望む。居心地の良い空間が広がる

2020年5月の改装を経て「琉球モダン」という内装に琉球の伝統柄をモチーフにしたグラフィックやアートを取り入れた部屋を導入した。一番の売りはフロント、バー、オープンキッチンと一体化したラウンジ。コロナ対策を施した上で、テーブルレイアウトを工夫しエントランスからオープンキッチンまで一体感を出し、宿泊者同士や地元の人々、ホテルスタッフが自然な形で交流できるようになっている。夕方6時から1時間オリオンビールが飲み放題なのも嬉しい。

コロナ対応としてゲスト自身のスマホで行うことのできるモバイルチェックインやアメニティ・貸し出し備品リクエスト、フロントとのチャットなどモバイルサービスを充実させている。

<ホテル ストレータ那覇>【公式】ホテル ストレータ 那覇 | HOTEL STRATA NAHA (okinawa-uds.co.jp)

「世界がワクワクするまちづくり」を掲げるUDSの子会社沖縄UDSが2020年4月に開業。「Strata(ストレータ)」は「地層」を意味し、その土地に積層された歴史や文化を滞在中に感じてもらう工夫が施されている。

ストレータ那覇の屋上テラスで気分は上がる

その名の通り、各階のエレベーターホールにはホテルが建つ地層が表現されており、首里織、やちむん、琉球ガラスなどの沖縄伝統工芸が客室やパブリックスペースにふんだんに取り入れられている。

屋上には開放的な屋外テラスがリゾート感を演出し、気分を上げてのワーケーションには持ってこい。隣接するバーラウンジからは海に沈む夕日を見ながらの各種ドリンクが楽しめる。

<ホテル アンテルーム那覇>【公式】ホテル アンテルーム 那覇 | HOTEL ANTEROOM NAHA (okinawa-uds.co.jp)

沖縄UDSが那覇に展開するもうひとつのホテルで2020年2月に開業。「Anteroom(アンテルーム)」は「待合室」の意味でホテルを訪ねる人たちが、次の目的地に向かうための準備や気持ちを快適に整えることができる「待合室」のような空間を目指し、名付けたという。

アンテルームのロビーフロアはまるで現代美術館

この待「合」室にはアートやカルチャーとの出「合」いもふんだんに演出されている。芸術的な壁面のホテルに入り、2階のレセプションに向かうまでにも数々の壁画や絵画、彫刻などの現代アートが出迎えてくれる。

沖縄にゆかりのある作者を中心にその数200点以上。まるで現代美術館を訪れたのかと戸惑うほどだ。なにかしらの沖縄アートが取り入れられた居心地の良い客室、泊のハーバービューを臨む屋外ラウンジやルーフトップなどホテル内のどこに居てもご機嫌なワーケーション時間を過ごすことができる。

(文と写真/Carlos H. Aoki)

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