創業150年で社長交代 城西館、就任披露祝賀会/高知
高知市の城西館が創業150年を迎えたのを機に、藤本幸太郎常務を社長に昇格し、藤本正孝社長は会長に就任した。3月末に開かれた就任披露祝賀会には関係者約200人が集い、同館の新たな船出を祝った。
祝賀会発起人代表で高知県商店街振興組合連合会理事長の廣末幸彦さんは「城西館の歴史の中でコロナ禍という最大の危機を乗り越えることができたのは、経営者と社員がひとつの大家族として旅館経営をしてきたからだと思います。それは社員の笑顔を見ればわかります。社員と一丸となって危機を脱し、これからという段階での社長のバトンタッチ。社員との家族力でますます繁盛されることを祈っています」と話した。
JTB協定旅館ホテル連盟の会長で道後温泉・宝荘ホテルグループ社長の宮﨑光彦さんは「家業を新社長に任せた藤本会長には地域のために活躍していただいて、今一度、日本を“洗濯”してほしい。藤本新社長は会長を越えようとするのではなく新しい山を築き、200年、300年と発展されることを期待しています」とエールを送った。
四国ツーリズム創造機構会長でJR四国会長の半井真司さんは「創業150年という節目の年に社長を交代するというのは喜ばしいことです。藤本社長は新しい感性で城西館を発展させていただきたい。これまで多数の公職を務めて観光業をけん引してこられた藤本前社長には敬意を表したい。引き続いて高知のため、四国のためにご活躍を願いたい」と語った。
これを受けて藤本会長は「長きに渡って営業を続けてこられたのは先輩の方々が一生懸命に城西館を守ってきたからこそです。現在のメンバーも次の世代にバトンタッチしてくれることが先輩や次世代への責任だと思っています。本日お集りの皆様には心から感謝申しあげ、引き続きご支援をお願いいたします」と話した。
藤本社長は城西館の歴史を紹介したあと「150年という節目の年を迎えてキーワードを『紡ぐ』といたしました。旅館は農家や市場など仕入れ先の皆さまのおかげで商品ができているからこそ、地域に根をはることができる植物型の産業だと捉えています。そのためには取引先の皆さまと一緒に地域とともに栄えることが最も重要です。未熟な経営者ですが、地域のため高知のために社員と一緒になってこれまで培ってきた伝統と歴史を大事にしていきます」と抱負を語った。

花束を手に壇上にのぼる藤本会長(左)と藤本社長
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