地域を元気にする旅館経営 リョケンセミナー・ひいなの湯利光社長
リョケン(佐野洋一社長)は3月17―18日の2日間、和歌山県・加太淡嶋温泉の大阪屋ひいなの湯で「2025年事例研究セミナー」を開催した。創業200年の歴史を持つ大阪屋ひいなの湯の利光伸彦社長が「大阪屋ひいなの湯の歩みと経営戦略」と題して講演した。
利光社長は、幼少期から旅館が嫌いで後継ぎとして戻ってきたものの、まったくやる気がなく数年過ごしていたところ、地域で行われた勉強会に参加。同業の先輩から旅館業の興味深い話を聞き「旅館業って前向きに取り組んだら面白い」という言葉でスイッチが入ってがむしゃらに働くようになったという。
そうした時期にリョケンの木村臣男会長と出会い「身の丈に合った経営」「商売は屏風と同じ、広げすぎると倒れる」と言われ、リョケンとともに宿の改革を進めることになる。
2001年に隣接する旅館を買収し、03年に既存棟と買収棟を接続しロビーを改装。屋上に露天風呂を設置した。このとき、加太でひな人形を祀る神社「淡嶋神社」に着想を得て、女性向けの宿として営業を始め、現在の屋号に変更した。05年に東館の3、4階の客室を改修、08年には食事処「旬魚旬菜あくら」を設けた。16年に玄関ロビー、22―23年にかけて西館3階の客室を改修するなどほぼ3年置きに施設の充実を図ってきた。
24年には、さらに個人客化を対応するため高付加価値化補助金を使って東館屋上に浴場とスパ施設を新設。屋上にサウナ、海風を感じながら飲み物を楽しめるテラスを配置した。
また地元の地域活動も推進。歩けるまちづくりや海を守る運動、南海電鉄加太線沿線の活性化などに取り組み、宿と地域を盛り上げる取り組みを重ねてきた…
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