楽しく読めて ときどき役に立つ観光・旅行専門紙「トラベルニュースat」

SNSで地域も宿も自らも輝く 人気ブログで発信する若女将座談会(1) 子どもが支える元気な地域

インターネットを駆使し、宿づくりや集客につなげている旅館の若女将6人に集まっていただいた。ブログの人気ランキングで上位に入る皆さんだが、地域の子どもの話題から、旅館の後継者問題、地域活性化の話まで、座談会は身のまわりの話題が中心。ITというバーチャルの技術をこなしながら、宿の現場に即したリアルな視点は優しく、たくましい。ネットでつながった6人の強い絆を感じた座談会だった―。(座談会は2月19日、大阪市中央区千日前の千日亭で)

<座談会参加者>
迫間 優子さん(三重県鳥羽市/鳥羽ビューホテル花真珠)
橋本 千春さん(三重県鳥羽市/答志島温泉寿々波)
原 のどかさん(和歌山県白浜町/おんせん民宿望海)
松本 真奈美さん(滋賀県長浜市/かや葺きの宿長治庵)
漆原 幸子さん(香川県琴平町/こんぴら温泉湯元八千代)
内田 亜希子さん(長崎県雲仙市/雲仙スカイホテル)

個性豊かな宿で個性豊かに生きる女性たち

―自己紹介を兼ねて、ご自身の宿の特徴などを教えてください。

 お客様との距離が近く、アットホームで気兼ねなくお友だち感覚で会いに来てくださったら、という民宿です。主人が漁師をしていますのでお客様に新鮮なままお出ししています。収容は65名で客室は17室です。

内田 雲仙は国立公園第一号に指定された自然豊かなところです。昔は温泉と書いて「うんぜん」と呼ばれたほど温泉にゆかりがあります。約50ルーム、200―300人が入る旅館です。

迫間 鳥羽は伊勢神宮から約30分圏内にあるまちです。うちは高台に建っていますので全室オーシャンビューです。料理が自慢です。48室200名収容です。

迫間優子さん

迫間 優子さん
三重県鳥羽市
鳥羽ビューホテル花真珠

松本 茅葺の宿で、7室しかありません。一度来たらもう一回来たいとリピーターが多くいらっしゃいます。私が山に入って山菜を採りに行き、処理して保存して1年中食べていただけるようにしています。食べ物も自分たちでお米は主人がこだわって作っています。こだわりだけで、温泉も何もありません(笑)。

漆原 創業1725年、もう少しで300年になる老舗旅館です。八千代と貸切湯の宿ことねがあります。八千代は自家源泉の湯元で40室あります。ことねは町の温泉を利用しています。元々あった宿を改装し20室あり、無料の貸切風呂が6つあります。琴平に大手グループが進出し始めているのですが、ほかとの差別化を図ろうと主人が始めました。

橋本 鳥羽から船で20分、人口は2千人ぐらいでほとんどが漁師さんの島です。旅館としての特徴は、私が9年ぐらい前から島の中の市場をまわ
って、お客様に提供する魚を競りで買ってきています。男性の中にひとりまじって女性目線、主婦目線でいいものを選んでいます。客室は32室で150人収容です。

迫間 女性初の仲買人ですよね。

橋本 答志島はサワラの一本釣りをしているのですが、去年10月に「トロさわら」としてブランド化されました。魚へんに春と書くので、春が美味しいイメージを持たれているのですが、秋から冬にかけてはとろけるぐらい美味しいんです。

橋本千春さん

橋本 千春さん
三重県鳥羽市
答志島温泉寿々波

迫間 大きさと脂の質を毎回量ってタグ付きで出荷しています。伊勢エビ、アワビだけではない鳥羽の魅力です。

 秋冬に行くべしですね。

迫間 答志島は今、島への留学も話題です。

橋本 離島留学といって小学生が1人、名古屋から来ています。小学校の人数が少なくて存続が難しい、だったら他所から児童を募集しようと始めて今年4月から6年生が2人、私も里親をすることになりました。お母さんと一緒にうちへ泊まりにきて離島留学の話をしたら、お母さんに「僕も答志島へ行きたい」と言ったみたいです。びっくりしました。うちに泊まって何が良かったんだろうって聞くと、島ということと魚釣りが好きで食べ物もおいしかった。「答志島へ行って僕は自立したい」と。

一同 すごいなぁ。

迫間 全島が学童保育みたいな島。子どもにとっては生活のしやすい島だと思います。

内田 ネット依存の子どもが増えているから、自然の島で暮らせるのはいいでしょうね。

橋本 まさか、うちが受け入れるなんて思ってもいなくて、うちには4人も子どもがいるし。でも、何かのご縁かなと。

漆原 5人目? 5人のお母さん!

迫間 スーパー女将さん! 私にはとてもできないわ。

内田 雲仙では保育園がなくなって、小学校も今年春でなくなってしまいます。そういうのを聞くと、何か夢が見えたという気がしました。

一同 うん、うん。

内田 でも閉校が決まってしまったので、従業員がいなくならないかと心配しています。結婚したり、子どもが生まれたりしたら預けるところが一番必要なので。

迫間 鳥羽の離島の中でも答志島が一番若者が戻ってきているんです。島の人たちが子どもの声をなくしたらアカンという強い思いを実践していらっしゃいます。

(次の記事)SNSで地域も宿も自らも輝く 人気ブログで発信する若女将座談会(2) お客様、仲間…人をつなぐ

この記事をシェアする
購読申し込み
地旅
今すぐにでも出たくなる旅 最新
世界水準の山岳高原リゾート長野県で過ごす夏

各地で30度以上の真夏日を経験した、5月の日本列島。今のところ、夏の暑さは平年並みの予想だが、...

海山歴史広大な静岡市で特別な旅

4月に始まった静岡デスティネーションキャンペーン(静岡DC)もそろそろ終盤。伊豆特集に続き、...

岡山美作三湯から令和の安らぎ

岡山県、ひいては山陽路を代表する湯のまち、美作三湯。岡山県北に位置する湯郷、湯原、奥津という...

トラベルニュース社の出版物
トラベルニュースat

観光・旅行業界の今に迫る面白くてときどき役に立つ専門紙。月2回発行

大阪案内所要覧

旅行業務必携。大阪にある全国の出先案内所収録。18年版5月15日発売

旅行業者さく引

セールス必携。近畿エリア全登録旅行業者を掲載。毎年11月発行

夕陽と語らいの宿ネットワーク
まちづくり観光研究所
地旅
関西から文化力
トラベルニュースは
文化庁が提唱する
「関西元気文化圏」の
パートナーメディアです。
九観どっとねっと
ページ
トップへ