ウィズコロナの旅は「超個人型」に 日本旅行総研、コロナ禍の影響による旅行の意識調査
日本旅行(小谷野悦光社長)の研究部門、日本旅行総研は10月11日、コロナ禍の影響による旅行の意識調査の結果をまとめ、発表した。昨年6月から今年9月までに実施した5回の調査による結果の変遷から、コロナ禍のなかで旅行が人々にとってどのような位置づけにあるか、求めるものはなにかが浮かびあがってきた。
「これからの旅行選びで魅力的な形態」では、すべての調査で宿泊施設、公共交通機関に対し感染対策を求める声が多く、宿泊、移動に対し旅行者の感染対策への意識は高い。「感染対策は当たり前のことなので気にしていない」という声もあり、総研では「ウィズコロナ時代の旅は感染対策なしでは成り立たないと考えられる」と指摘している。
「次の旅行は何がしたいか」は、いずれの調査でも「温泉でのんびり」が最多で、癒しや寛ぎが旅の求める重要な要素。今年9月調査では2位に「グルメ旅」が入り、長く続いた行動制限から食を求める意識が高まっているようだ。
今年9月調査で尋ねた「次の旅行での懸念点」は、「公共交通機関での移動で3密にならないか」が最多。「宿泊先での感染対策」「旅行先の感染拡大状況」「観光地での混雑」と続く。おおむね「これからの旅行選びで魅力的な形態」と同様で、自分や同行者の感染などによるキャンセル料を挙げる声もあり、この点を考慮した商品設定が旅行会社としては求められそうだ。
「旅行の目的」は「地域ならではの食事」「地域ならではの自然景観、観光」が多い。「自分自身のリフレッシュ」「家族や同行者に喜んでもらう」もある一方、コロナ前では人気だったイベント参加は敬遠される傾向に。
これら結果から、総研では「感染対策が取られている交通機関や宿泊施設を選び、密を避ける行動はウィズコロナ時代における旅行のスタンダードに」「個人や家族などの小規模グループで旅を楽しむことの両立を求める『超個人型』がキーワードに」「『心を満たすような旅行』を求める傾向が強まり、消費者の価値基準そのものが変化」などと総括している。
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