「申し訳ございません」の準備 JATA経営フォーラム、謝罪マスターに学ぶ危機管理
日本旅行業協会(JATA、髙橋広行会長)は2月10日、第33回JATA経営フォーラム2025の基調講演会を東京・霞が関で実施した。会員会社の経営者ら約80人が参加。基調講演では、元吉本興業グループ役員でモダンボーイズの竹中功代表取締役が登壇し「危機管理に強い組織・人が辞めない組織の育て方について」をテーマに、危機管理対策の平時からの準備や謝罪の対応策などを説いた。
講演会の冒頭、髙橋会長が業界の未来について「稼げる業界に生まれ変わるということに尽きる。10年後も今のビジネスモデルが続けば生き残れない」と生産性、収益性が上がり、社会から評価される業界へと変わる必要性を説いた。また、海外旅行の回復の遅れにも言及。「海外、国内、訪日の三位一体でのツーリズムを再構築し、稼げる業界の実現に向けた大きな一歩を歩みたい」と、フォーラムを契機とした旅行業の躍進を訴えた。

約80人が集まり開かれたJATA経営フォーラム
基調講演では、吉本興業グループの役員として広報や危機管理担当を務め、自らを「謝罪マスター」と語る竹中氏が、組織が取り組むべき危機管理のあり方や、謝罪の準備、謝罪会見のシナリオといった謝罪時のポイントなどを紹介した。
危機管理対策については、事故や不祥事の発覚などの事態が生じる前からリスクに注意を払う必要性を語った。
謝罪を成功に導く手法としては①命や身体にかかわることがないか確認②経緯・事態を時系列で整理して完全に把握③「謝罪シナリオ」を書く④原因を究明し再発防止策をまとめる⑤直接の被害者に直接謝罪に行く⑥必要であれば対外的に発表する―の6つのステップを示した。
最後には、業界で働く人たちに向けて「テレビやネットなどの旅番組は予告編でしかない。旅行ほど最高なライブコンテンツであり、多くの人に届けてほしい」とエールを送った。
JATA経営フォーラムでは、セミナーとして「近未来の旅行業における『生成AI』活用の可能性」「旅行会社の採用活動における『2024年の成功事例』&『2025年の傾向と対策』」や、分科会として、国内旅行と訪日旅行、海外旅行、輸送ガイドライン、カスタマーハラスメントの5つをテーマとしたパネルディスカッションが行われている。
フォーラムはウェブ登録で4月4日まで視聴可能(https://www.jata-net.or.jp/about/jata-active/about02_04/formu2025/)。
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