広島・福山を感じる視覚障がい者ツアー 福山観光旅行が初企画し催行
広島県福山市の福山観光旅行(漆川治樹社長)が視覚障がい者を対象にしたツアーを実施した。6月に同市内で行われたユニバーサルツーリズムのセミナーをきっかけに初めて取り組んだもので、準備期間が短かったにも関わらず、東京都や兵庫県など各地から参加者を集めた。同社では、誰もが観光を楽しめるまちとして福山市の活性化も視野に入れ、地旅(着地型旅行)として継続的にユニバーサルツーリズムに取り組む考えだ。
ツアーは9月29―30日に実施した「瀬戸内海シーカヤックと福山・鞆の浦体感の旅2日間」。
今年6月8日に福山市で開かれたユニバーサルツーリズムのセミナーで、福山市地域おこし協力隊の河村由実子さんが福山でも視覚障がい者が楽しめるツアーを企画したいと発案。12日にはユニバーサルツーリズムアドバイザーでオフィス・フチ代表の渕山和弘さんに協力を依頼し、漆川社長を交えて打ち合わせを行った。その後、7月21―22日には渕山さんを講師に招き、市役所職員や市民が参加し「視覚以外で楽しめる旅をデザインしよう」と題して研修会を開催。鞆の浦をフィールドに2人1組みでアイマスクをつけモニターツアーを行い「すごいスピード感」(渕山さん)で準備を進めた。
9月下旬のツアー実施を決め、1人5万円のツアー代金で8月12日から始めた募集は、わずか2日で定員の5人に達した。募集には、音声でツアー全体をイメージが伝わるよう「声のパンフレット」を作成。視覚障がい者のメーリングリストで全国に配信した。実際、ツアーに参加した人は「以前から福山城に行きたかったし、シーカヤックもやってみたかったから、すぐに申し込みました」と声のパンフレットで即断したという。
JR福山駅発着の現地集合のツアーだが、鉄道をはじめ公共交通機関の障がい者受け入れはスムーズ。この日も参加者は福山駅まで一人で移動した。到着後は、7月の研修に参加した人たちが「手引き者」としてアテンドした。
ツアーは駅前から路線バスに乗って景勝地・鞆の浦まで移動し、ガイドの案内で特産の保命酒を試飲するなど町並みを散策。その後、いろは丸で仙酔島にわたりシーカヤックに挑戦。参加者の大半は初体験だったが、漕ぎ方のレクチャーを受け手引き者との2人乗りカヤックで1時間ほど海上散歩を楽しんだ。「漕ぎ方が分からなかったけど、潮風を感じられて楽しかった~」と参加者…

瀬戸内海でシーカヤックに挑戦
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