東京のホテルから:島の命守り、経済回すモデル築きたい
観光客が一瞬押し寄せた8月の八丈島。目先の夏の賑わいで八丈島の観光業も息を吹き返したとみる島民もいるが、3月の激減期、4、5、6月の休業期で体力を大きく奪われた状態からの営業再開は、病み上がり状態だった。
すでに息があがる状況にあって、自立歩行は困難を極めているというのが実態だ。
様々な感染拡大防止対策を実施することで経費は嵩み、さらには万が一の自身の感染、自館のクラスターの恐れにも覚悟を決めて走り出した。道は険しく長く永遠に続く登り坂のように感じる。
今求められるのは、歩むその坂道の勾配を下げて、自走できるように背中を押す施策だと、地元観光協会と旅館組合は連名で町や都議会に対して現状の理解を深めて頂く機会を設けたり要望活動を行ってきた。
とりわけ都には離島の医療機関の整備や支援、島しょ広域でのプレミアム付き宿泊旅行商品券を要望した。
これから先、国のGo Toトラベルにあわせて都や町も誘客するのであれば、島民の安心安全をどう築くのかが離島における課題となる。小笠原では乗船前PCR検査も始まり、効果を見ながら今後他島へ応用していく予定だという。特に医療脆弱な離島では水際での対策は必須だ。
9月上旬にはGo To東京追加にむけて、保健所指導のもと感染拡大防止対策の講習会の開催も行った。
島にとって望まれるのは、PCR検査付きの旅行や航空会社における検査付き航空券の販売などがスタンダードになることだ。さらに旅前での健康証明、旅中での行動経路フォロー、旅後の健康管理など、一連の旅をサポートするシステムや相談できる窓口も必要だろう。
小さな島の命を守りかつ経済を回すモデルを築いて頂きたい。
(八丈島のホテル経営者)
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